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【特集記事】会員交流担当として
副会長
西森 年寿(大阪大学)
会員交流担当副会長の西森年寿です。今回は大会・研究会運営の現場から、近年の「会員急増」という現象とその対応についてご報告申し上げます。
過去の理事会資料より総会員数(準会員や学生会員なども含めるものです)の遷移を追うと、2023年7月は3561 名、2024年7月で3752 名となっており、おそらく今後4000名を超えていくと予想されます。現在学会HPには、学会創設1984年から2021年までの会員数の推移が掲示されていますが、その伸びを基準とすれば、ここ数年の状況は「急増」といって差し支えないと思われます。新しく加入していただいたみなさま、そして、ここまで魅力ある学会を一緒に形成してくださった旧来の会員のみなさまに感謝申し上げます。
学会員の急増を反映して、大会、研究会ともに発表件数・参加者数が増加しております。直近の2026年7月の研究会は65件の発表が予定されています。数年前は研究会では平均的に3会場、多くて4会場という見込みで準備していましたが、現在では5会場が必要な状況が続いています。また、今年9月の秋季大会には、580件の発表申し込みがあったとの、驚くべき知らせがありました。昨年の秋季大会の発表数は415件で、実はこれも当時の予想を上回る規模でした。もちろん、春季大会の発表数も増加の一途です。
大会も研究会も、会場の選定は実施の2年程度前、場合によってはそれよりも前から検討しています。その際、規模感としては「現在と同等だけれど少し余裕があるとよい」程度を思い浮かべて選定するのが習慣でした。日程・予算は限られますし、また、どの会場候補にも先約があります。さらに参加者のみなさまのアクセスも考えれば、残された選択肢はそう多くありません。事実上、一択というケースもありましたし、様々な条件はよいもののサイズの問題だけで断念せざるを得ない会場候補もありました。原稿をチェックしたり、プログラムを編成したり、当日の会場を運営したり、それら担当の委員をお願いする人数も、基本的には前年を踏襲してきました。
一方で、発表件数は、大会は3か月ほど前に、研究会は1月前に確定します。そこで想定を上回る件数の申し込みが判明する都度、担当委員会の先生方には、多岐にわたる調整に奔走し、迅速かつ柔軟に対応していただきました。大会そして研究会委員会の先生方に改めて感謝申し上げます。もちろん、そうした対応にも物理的な限界がありますので、実際には混み合う会場で参加者のみなさまにご不便・ご迷惑をおかけしてしまったことも多々あったと思います。お詫び申し上げます。
発表数の増加は、とても喜ばしいものです。しかし、プログラム編成という面では悩ましいものです。同時発表数が多くなることは、参加者にとって聞きたい発表が聞けない感覚を高めるため、回避したいものです。とはいえ、参加者の交通手段や、休日のイベントという点からも、開始時間を早めたり、終了時間を遅くしたりするのは適切ではないとも考えます。また、発表資格等に何らかの制限をかけるという方策も、研究会・大会の本質を損なうもののように感じます。会場選びの面でも制約が高まります。
今後の対策としては、担当の先生方との議論が必要ですが、発表時間の短縮化や、一部企画のオンライン開催への移行といった抜本的な見直しが鍵になるのではないかと考えています。これは単なる効率化にとどまらず、会員間の意見交換をより活性化させ、交流の質を高める新たな契機となるはずです。
そもそもの会員急増の原因を考えると、その背景に、生成AIブームがあることは明らかだと思います。AIの性能の向上や日常への浸透は、教育工学会が研究対象とする、教育や学習活動、そして知識生産そのものの在り方を根底から揺さぶっています。それは危機であると同時に期待であり、その熱気が会員の急増に結びついているのでしょう。
このような急激な変革の時期に、大会・研究会、そしてSIGを通して、さらに多くの会員の皆様と経験・知識、意見の交流を行えることは、未来への希望であると考えております。どうぞ学会活動への活発なご参画に、引き続きご協力お願い申し上げます。