会長・副会長挨拶

法人化2年目の学会運営について

日本教育工学会 会長 堀田龍也(東北大学)

日本教育工学会ニューズレター NO.253より(2022年05月)

 ニューズレター248 号の巻頭に会長就任のご挨拶を掲載いただいてから,およそ1年が経過しました.その後,ニューズレターの巻頭挨拶を「副会長挨拶シリーズ」と題し,249 号は総務・広報担当の室田真男副会長,250 号は戦略・国際担当の美馬のゆり副会長,251 号は編集担当の山内祐平副会長,252 号は会員サービス向上担当の村上正行副会長から,各副会長が所掌している関連委員会等の解説を中心にご説明をいただきました.

 学会のスムーズな運営のために,裏方としてボランティアで動いてくださっている委員の方々がたくさんいます.各種委員会で審議・調整されている事項のすべてが公表されるわけではありませんし,常にいくつものイベントが同時並行で動いておりますので,会員のみなさまからは各種委員会の動きが見えにくくなっていることもあるでしょう.「副会長挨拶シリーズ」では,委員会活動を所掌している副会長から,会員のみなさまに活動状況を直接伝えていただきました.執筆いただいた4名の副会長にはもちろんですが,各種委員会でたくさんの任務を遂行していただいている委員長はじめ委員のみなさまにあらためて感謝申し上げます.会員のみなさまには,ぜひ学会Web サイトから会長・副会長挨拶のバックナンバーを再度ご参照いただき,学会の各業務に対するご理解を深めていただければ幸いです.

 この1年は,一般社団法人となった日本教育工学会の最初の1年でした.新しいルールに基づいた運営は総務委員会に大きな負担をおかけすることになりましたが,おかげさまで法人としての規定整備をはじめ順調に運営なされております.今後,法人化後の初めての役員選挙があり,選挙管理委員会による準備がスタートしております.

 将来構想WG から2020 年11 月にいただいた答申をもとにした学会の運営改善として「重点活動
領域委員会」が設置され,「情報教育部会」,「学習環境部会」,「学習評価部会」が発足しました.重点分野における個別の研究成果を束ね,学術的な前進だけでなく社会貢献に寄与し,加えて学会としてのプレゼンスを高めることを目指し,部会の代表やコアメンバーを中心に活動を展開しています.また,会員からの提案で進める研究活動として,5つのSIG が再スタートしており,他国との国際的な研究連携にも繋がっています.これらの研究成果が日本教育工学会論文誌や英文誌”Information and Technology in Education and Learning”(ITEL)における個別の論文となり,J-Stage 等によって広く参照・引用されることによって,研究成果同士の結び付きが強くなり,教育工学分野の研究のさらなる活性化が図られることとなります.

 全国大会の2回化もすっかり定着しました.「ゆったり発表」を目的とした春季大会,「じっくり議論」を目的とした秋季大会といった性格付けを守りつつも,春季大会と秋季大会の連携および包括的な運営を目指しています.年に4回の研究会は「年間パス制度」を導入したことにより,会員のみなさまにとって複数回の参加がしやすくなっています.研究報告集のJ-Stage での公開によって,最新の研究成果を追跡しやすくなりました.全国大会と研究会に参集することによって会員同士のつながりが生まれたり,さらに深まったりするように,今後は可能な範囲で対面での開催に舵を切りつつ,オンラインの良さを最大限に活かした運営方法を模索中です.開催会場の制約等があるため,理想的な運営が行われるまではまだ少し時間がかかりますが,関係委員会の委員のみなさんが議論を重ねておりますので,会員のみなさまにもご理解とご協力をお願いします.

 学会の関連情報を会員にいち早く提供する方法も広報委員会を中心に模索されております.今後は学会Web サイトを中心に情報が届けられますし,更新情報についてはJSET のFacebook やTwitter等で受け取ることができます.ニューズレターのメールマガジン化も進められております.

 法人化後の1年間のさまざまな取り組みを記してきましたが,学会運営における課題はまだいくつもあります.そのうちもっとも大きく深刻な課題は,理事・代議員,各種委員会の委員等のみなさんに対する学会運営の負担の増大です.多くの委員が,他学会でも役員や委員を務めている現状があります.学会にはサービス向上を目指し続ける宿命がありますが,一方で持続可能な運営方法であることやコストダウンが求められます.今後は,近接学会との積極的な連携により,研究交流による教育工学分野の活性化と同時に,合理的な連携運営等についても検討が必要と考えております.このことを含め,本学会の今後の在り方について,中長期的な見通しを検討していくことが課題だと会長としては認識しております.

 COVID-19 もやや沈静化が進んでいる状況です.会員同士の対面でのディスカッションの機会が戻ってくる年になりそうです.みなさま,今年度も学会運営へのご協力をよろしくお願いします.