特集:初等中等教育における探究教育のデザイン・実践・評価

昨今,初等中等教育の各教育課程では「探究教育」の充実が重要な論点の1つとなっています.特に,GIGAスクール構想等の取り組みによって教育方法や学び方,児童生徒と教員を取り巻く環境のDX化が進み,従来のやり方にとらわれない新しい柔軟な授業実践が可能になってきました.
上記背景から,本特集号では「初等・中等教育における探究教育のデザイン・実践・評価」をテーマに設定しました.高等学校では総合的な探究の時間や古典探究,理数探究等が新設されましたが,本特集号で対象にするのは探究の名が付された授業に留まりません.学びのプロセスとして「習得・活用・探究」が示されてきたように,学校教育では単に知識・技能を記憶・再現するだけでなく,それらを用いて活用・探究することが求められています.本特集号では初等・中等教育機関における探究教育のデザイン・実践・評価等について教育工学研究の知見を広く募集します.

1.対象分野

本特集号で募集する論文テーマについて例示します.以下のテーマはあくまで例であり,探究教育のデザイン・実践・評価に関する研究を広く募集します.
1) 初等中等教育における探究教育の実践と評価
2) 初等中等教育における探究教育の評価方法に関する研究
3) 1人1台端末を活用した探究教育の実践と評価
4) 探究教育を充実させるためのデジタルワークシート等の開発と評価
5) 探究教育を充実させるためのティーチング/ラーニングポートフォリオの開発と評価
6) ICTを活用した探究教育における学校と地域等の連携に関する研究
7) 探究教育の実践を支える教師の授業力量等に関する研究
8) 高大連携による初等中等教育における探究教育の充実等に関する研究
9) 探究教育の成果を用いた大学入試等の高大接続に関する研究
10) 教育工学研究の視座から捉えた探究教育の理論的系譜等に関する考察

2.募集論文の種類

通常の論文誌と同様に,「論文」「教育システム開発論文」「教育実践研究論文」「資料」「寄書」を募集します.それぞれの論文種別については,投稿規定をご覧下さい.論文の査読は,通常の論文誌の場合と同じです.ただし,査読は2回限りとし,編集委員会が示した掲載の条件を修正原稿で満たさない場合は 採録になりません.「ショートレター」として既に掲載されている内容を発展させて「論文」として投稿することも可能ですが,単に分量を増やして詳細に説明しただけでは発展させたことになりませんのでご注意下さい.なお,本特集号へ投稿された論文が特集号編集委員会にて対象分野外と判断された場合には,一般論文として扱うことになります.あらかじめご了承下さい.

3.論文投稿締切日

論文投稿締切:2025年02月08日(土)17:00
最終原稿提出締切:2025年02月15日(土)17:00
発行予定:2025年11月

4.論文投稿の仕方

原稿は「投稿規程」と「執筆の手引」に従って執筆し,学会ホームページの会員専用Webサイトから電子投稿して下さい.会員ID とパスワードが必要です.郵送による投稿は受け付けておりません

5.原稿の受理に関わるフローのお知らせと投稿時の確認のお願い

上記特集号に投稿予定の会員のみなさまに,原稿の受理に関わるフローおよび投稿される際にご確認いただきたい点をお知らせ申し上げます.多くの会員のみなさまからのご投稿をお待ちしております.

(1)原稿の受理に関わるフローについて
 本特集号に原稿を投稿いただいたのち,正式な受理に至るまでに,①日本教育工学会編集委員会事務局,②日本教育工学会論文誌特集号編集委員会,③校閲の専門業者など,複数の箇所を経て,確認を行う予定です.その際,以下のような点について確認いたします.

   a.日本教育工学会論文誌としてのスコープとの合致
   b.剽窃などの有無
   c.図版利用や著作物利用における問題の有無
   (例:原著作者の許諾無く他者の著作物に手を加えて掲載する,
    「○○を参考に」とあるが多くの表現はそのままである,等.
    また,改変を許可されていない心理尺度の利用,等.
    原著作者に許諾を得ている場合は,付記に記載してください.)
   d.研究倫理上の問題の有無
   (例:研究協力者が幾ばくかでも特定可能な形になっていること,
    利益相反がある可能性があるのにも関わらず謝辞や付記に記されていないこと,等)
   e.「投稿規程」「執筆の手引」の遵守

上記の手続きおよび確認のため,原稿の正式な受理までに時間を要しますが,ご理解いただきますようお願いいたします.なお,「投稿規程」「執筆の手引」「著作権規程」を熟読し,それをふまえて執筆された原稿と確認できたとしても,その原稿に不備があると確認・判断された場合,それが軽微なものであれば修正を求めることがあります.修正後,原稿を再確認し,受理の可否について判断いたします.ただし,問題が散見される場合は,原稿を受理しない場合もありますので,ご自身で十分に確認の上,投稿くださいますようお願いいたします.

(2)自己剽窃の防止について
本学会の研究会や大会等で発表された原稿は,論文にするにあたって,その発表を発展させることを前提に,論文誌に投稿することは差し支えないとしてきました.しかし,内容としては同一のものが部分的に入っていたとしても,表現も全く同一の原稿を投稿することは,見方によっては自己剽窃と捉えられる恐れがあります.例えば,研究会の原稿は,J-STAGEに公開されるため,読者の誤解を招くことも考えられます.そこで,自己引用をしつつ,研究会や大会等の発表内容や原稿と投稿した論文誌の内容との共通と相違や,発展させた箇所を明記してください.加えて,表現についても改善・向上していただきますようお願いいたします.

6. 問い合せ先

日本教育工学会事務局 tokushu2025(at)jset.gr.jp ※ (at) は @に置き換えてください