「投稿規程」および「執筆の手引」の改定について(お知らせとご協力のお願い)

編集委員会 編集長 小柳 和喜雄

 平素は、日本教育工学会の運営にご理解を賜り、また学会の活性化にご協力をいただきまして、会員の皆様には感謝申し上げます。
 さて、日本教育工学会論文誌(以下、本誌と呼びます)は、Google Scholar Metrixのh5-indexをもとにすると、和文誌の中で高い評価を得ていることがわかります。本誌に対する注目も高まる中で、会員の皆様の活動が活発になり、数多くの論文投稿をしていただけるようになっております。このことは、学会としてたいへん喜ばしいことと考えております。
 一方で、このように本誌が社会的に注目を集めるようになり、編集委員会としては、会員の皆様の研究の発信を担う上で、日本学術会議の示す「科学者の行動規範-改訂版-」に則って、倫理的・社会的責任をより一層強く意識しながら、本誌の編集・運営をしていく必要があると考えております。
 このような中で、最近では、投稿される会員の皆様の研究倫理や公正に対する意識も高まり、これまでの「投稿規程」や「執筆の手引」に従って、どのように対応すればよいかという問い合わせを、編集委員会にいただくようにもなりました。
 このような事情から、以下に示す項目について「投稿規程」に明確化させていただくとともに、「執筆の手引」において具体的な執筆方法を示させていただくように改定することにいたしました。
 これまで編集委員会・理事会で慎重に審議を進めて参りまして、「投稿規程」「執筆の手引」について、その改定規程等を2025年1月1日より施行することになりましたので、お知らせいたします。
 会員の皆様のご協力とご理解を賜りますよう、何卒よろしくお願いいたします。

  1. 「投稿規程」に、「科学者の行動規範を遵守して研究を実施していること」という項目を、投稿の条件5として追加します。
     多くの会員の皆様と同様に、日本教育工学会は、学問分野の発展にむけた研究のために参加してくださっている、あらゆる研究協力者の皆様の権利を尊重します今般の規程改定から、論文投稿をされる会員の皆様が、その研究の実施にあたって、研究協力者の皆様に対してどのように研究への協力をお願いして、同意していただいたのかを説明していただくことになりました。また、企業や地方自治体に協力していただく研究を、会員の皆様により一層推進していただく上で、利益相反の可能性がある場合にはそのことを明記していただくことになりました。
     なお、所属組織等による研究倫理審査を受けて承認されて実施した研究の成果を論文等として投稿していただくことも増えております。ですが、学校にお勤めの先生方がその実践研究の成果を投稿するにあたって、研究倫理審査を受けて承認を受けるということは難しいこともあると考えておりますので、所属組織等における研究倫理審査については、必ずしも投稿の条件とはいたしません。
     投稿の条件5の追加に伴って、論文のどの部分に上記の情報を執筆すればよいかを、改定版の「執筆の手引」に示しました。また、会員の皆様が投稿してくださる論文等の執筆にあたって、第三者著作物や、研究協力者が作成した著作物を利用する場合の手続きについても、あわせて示しました。査読用原稿の作り方についても、よりわかりやすくなる編集・加筆を行いました。
  2. 「投稿規程」に、過去の投稿論文等を再投稿する場合は、「査読結果を踏まえて十分な修正がなされていること」という項目を、投稿の条件10として追加します
     頭書に示しましたとおり、学会員の皆様の研究活動がたいへん活発になり、非常にたくさんの論文等を本誌に投稿していただけるようになりました。査読の過程で、残念ながら一度返戻と判断させていただく原稿や、時間の関係で取り下げ等になる原稿もあります。そのような原稿を、十分に修正した上で、あらためて投稿していただくことはとても重要なことと考えております。
     査読者の先生には、限られた貴重な時間を使って、ボランティアで、本誌に投稿してくださる皆様の玉稿を丁寧にみていただいております。論文等の投稿数が増えていることから、ボランティアで査読をしてくださる先生にとって、前回の原稿が、再投稿時にどのように変わってきているのかということを、よりわかりやすくお示しして、査読者の先生が少しでも査読に取り組みやすい環境を作る必要性が生じております。
     このような事情から、一度投稿した論文が返戻になった場合、論文の修正が間に合わなかった場合、あるいは取り下げになった場合で、その論文を改めて投稿するときには、どのような場合でも、それまでに査読者の先生が指摘した助言や採録の条件、あるいは返戻の理由に対して、本質的に対応する修正を施していただき、その内容を丁寧に説明していただくことになりました。
  3. 「執筆の手引」について、上記に対応した修正のほか、参考文献等の書き方についても、誤りを正すなどして、会員の皆様によりわかりやすくなるようにします。

※新しい「投稿規程」と「執筆の手引」の差分は、こちら(リンク)からご覧いただけます。

以上