一般社団法人日本教育工学会における生成AI利用に関する基本的な考え方

近年、AI技術の進展に伴い、学術研究の多くの側面で生成AI等の利用が増加しています。一般社団法人日本教育工学会(以下、本学会)では、学会論文誌の執筆や、研究会や全国大会での発表における、生成AI等の利用に関する基本的な考え方を以下のように定めました。

(1) 著者資格に関する方針
生成AI等は、論文や発表の内容に対する説明責任を果たすことができないため、著者としての要件を満たしません。そのため、本学会の活動において、生成AI等は著者資格を持たないものとします。

(2) 生成AI等の利用開示と著者の説明責任
論文や発表において生成AI等を利用した場合でも、記載された内容の説明責任は著者が負うものとします。学会から問い合わせがあった場合、どの点で生成AI等を利用したかを説明できるようにしておいてください。また、生成AI等の活用が特に発表の中心的な内容にかかわる場合は、どのツールをどのような目的で利用したかを明示するようにしてください。

(3) ポリシーの見直し
この基本的な考え方は、技術の進展や学術コミュニティでの議論、または本学会の方針変更に応じて、適宜改訂される可能性があります。本学会で研究成果を発表される方は定期的に最新の方針を確認し、適切に対応するようにお願いします。

(4) その他

初等・中等教育における教育実践研究での生成AI等の利用
本学会は、初等・中等教育における教育実践研究に力を入れています。その際、生成AI等の利用に関しては、文部科学省が定めるガイドラインもあわせて参照することを推奨します。

本学会の今後の取り組みと方針
本学会は、新たに出てきた生成AI等の教育・研究での活用について、積極的に研究を通して議論していきたいと考えています。このため、学会の重点活動領域として「先端科学技術とELSI部会」を創設しました。この部会を通じて、研究活動を基盤とした教育活動への貢献を目指しています。

2024年5月18日
一般社団法人 日本教育工学会