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秋季大会SIG-TLセッション「個別最適な学びと授業研究/校内研修」(開催報告)

 SIG-TLでは,2024-2025年度のテーマを「個別最適な学びと授業研究/校内研修」と設定しています。2025年9月27日にウインクあいちで開催された2025年秋季全国大会では,話題提供者として、学校法人海陽学園海陽中等教育学校の前田嘉則氏、出口絵理子氏、高見澤謙氏をお迎えしました。170名を超えるみなさまにご参加いただき、会場は満員となりました。

 本セッションは、生徒個々に繰り広げられる探究の集大成としての学習の成果物をどのような基準で評価するのか、参加者相互に話し合いながら考えることをメインに据えました。こうした営みこそが、個別最適な学びが求められる中での新たな授業研究や校内研修のあり方を体現するものであると考えたためです。

 当日は、SIG-TLのコアメンバー(副代表)である古田紫帆氏(大手前大学)の司会・進行のものとで、セッションがスタートしました。まず、海陽中等教育学校の概要、「海陽科」の取り組み、「論集」の執筆とその指導・評価について、話題提供がなされました。なお、同校では、総合的な学習(探究)の時間を活用し、生徒の「志」を醸成するための独自カリキュラムが開発・実践されており、それが「海陽科」と呼ばれています。話題提供においては、生徒による「論集」の執筆を指導する際に、学校としての共通の執筆要領を整理したり、学年間で共有したりすることのむずかしさのほか、今後、評価方法をさらに確立していく必要性が語られました。

 次に、参加者各自がサンプル論文を読み、「問いの適正」および「根拠の適正」について、3段階のルーブリック評価を行うとした場合に、評価Bの基準をどのように設定すべきかを検討し、参加者相互にディスカッションをするワークショップが行われました。 参加者はサンプル論文を読み、チェックを入れながら、評価Bの基準を検討したり、複数のサンプル論文を読み比べたりしながら、探究の学習成果物をいかに評価するか、ディスカッションしていました。

 質疑応答では、「海陽科」のテーマ設定、参考文献や引用についての指導、英語で書かれたものを含む先行研究の取り扱いについて、複数の質問や意見が出されました。最後に、SIG-TLのコアメンバーである福島貴子氏(静岡大学)によるまとめがなされ、セッションは終了となりました。セッション終了後も、質疑応答が尽きない様子で、参加者のみなさまの関心の高さを感じました。

文責:島田希(大阪公立大学)

※ 当日は、QRコードを示して質問も受け付けたり、アンケートで感想を伺いましたが、時間中にご紹介できる時間が十分とれず、失礼いたしました。

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