SIG-ID「ID初心者向けワークショップ 開催報告」開催報告

●日時:2024年11月10日(日)13:30~16:30
●会場:千葉工業大学 津田沼キャンパス
●参加者:12名
●テーマ:「はじめての人のためのインストラクショナルデザイン~ID第一原理を使ってみよう~」
●参考書籍:鈴木克明(監修)市川尚・根本淳子(編著)
      『インストラクショナルデザインの道具箱101』,北大路書房
●運営:阿部真由美、市川尚、市村由起、甲斐晶子、高橋暁子、根本淳子

日本教育工学会SIG-IDでは、学内外にインストラクショナルデザイン(Instructional Design:ID)を普及するための活動を継続的に推進しています。本ワークショップは、その取り組みの1つであり、今回は2024年度に実施した「はじめての人のためのインストラクショナルデザイン~ID第一原理を使ってみよう~」の改善版を開催しました。

本ワークショップは、M.D.メリルが提唱し、インストラクショナルデザインの基盤的原則として広く支持されている「ID第一原理(First Principles of Instruction)」について、概要を理解し、それを自身の授業実践に活かす視点を得ることを目的としました。

本ワークショップの特徴は、活動全体が「ID第一原理」の5つの要件である「問題」「活性化」「例示」「応用」「統合」に基づいて設計されている点にあります。

ワークショップ前半では、共通の具体的な教育事例を題材に、まず気づいた問題点を挙げました<問題>。その後、「ID第一原理のミニ講義」を受け、新たな視点を得たうえで、問題点や改善例を再検討しました<例示>。後半では、参加者が持ち寄った事例についてグループごとに検討・議論を行い、最後にテーブルを移動しながら他グループの分析や改善のアイデアを交換しました<応用>。5つ目の原理<統合>は、「それぞれの参加者が現場で活用して成果を振り返る」としました。

参加者は大学・専門学校の教員や大学院生、実務家などであり、領域はさまざまでした。ワークショップ後のアンケートには9名からご回答いただきました。ワークショップのトピックや内容、場所や時間、当日の運営などについて伺ったところ、5段階(5:大変よい〜1:悪い)ですべての項目の平均が 4.5 を上回りました。参加者からは「『身についた!』と大変満足です。大変貴重な機会を頂き、深く感謝致します。統合のところ学んだように、振り返りつつ、実践します」「同じ悩みをかかえている方と、現場で実践できる問題について考えられたのが本当に楽しかったです」などのコメントをいただきました。ありがとうございます。

今後企画してほしいイベントについて「ID理論を扱った同様のワークショップ」という声が複数ありました。今後もIDを普及するための活動を継続的に行う予定です。開催情報は、決まり次第、日本教育工学会「JSET NEWS」(https://www.jset.gr.jp/news/)、SIG-IDサイト(https://sites.google.com/view/jset-sig-id/home)などでご案内いたします。

文責:甲斐晶子(青山学院大学)


詳細は、SIG-IDのWebサイトに掲載しています。ご興味のある方は、SIG-IDのWebサイトもぜひご覧ください。