2024/02/11
SIG-ID「第18回定例ゼミ」開催報告
●第18回:2024年1月30日(火)12:00~13:00
●参加者数:7名
●発表者:根本淳子
●テーマ:Instructional Design の動向について
2024年最初のID定例ゼミでした。今年度に本SIGの幹事団で国内のID研究の動向調査を行ったことを契機に(文末に文献情報載せております)、海外での動向についてみてみようと思って論文を一つ読んだ結果の報告です。2007年から2017年の間に65のジャーナルに掲載されたすべてのインストラクショナルデザインとテクノロジー(IDT)の学術論文を検索し、その手続きと結果がまとめられていました。
ScopusのDBに独自プログラムを用意して4万件の論文データを取得していた点がこれまでの調査にはないウリとして紹介されていました。結果から、本文野の関心は多様であると指摘されつつも、テクノロジーに焦点があてられやすいこと、そのため、学習理論やデザインフレームワークなどの視点を入れた研究が積み重なっていく必要があること、このまま発展していくことで、これまでの研究を統合していくことで実践に寄与することが期待できること、加えて国際連携が重要であることなどが示されていました。
論文でのキーワードは各年の特徴をつかむことを意識した選定でしたので、注目度の高い論文は、先端的な取り組みを早期に行ったものが目立つ傾向がでていて、納得のいくものでした。ですので、参加者間の議論では、どこに着目した調査かによって結果がちがう=我々の関心はどこか?、手作業ではなくオンデマンドでいつでも先行研究のトレンド情報を取得できるようなシステムが欲しい、IDTといいながらデザインというキーワードが含まれていないことが結果に表れているのではないかと、多様な視点からたくさんの意見が出ました。
参考文献:石川 奈保子, 市川 尚, 阿部 真由美, 石田 百合子, 市村 由起, 甲斐 晶子, 杉浦 真由美, 根本 淳子, 高橋 暁子(2023)日本におけるインストラクショナルデザイン研究のレビュー(2019-2022), 日本教育工学会研究報告集,2023, 4 号, 92-99
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsetstudy/2023/4/2023_JSET2023-4-B1/_article/-char/ja
文責:根本 淳子(明治学院大学)
レジメなどの詳細は,SIG-IDのWebサイトに掲載しています.IDにご興味のある方はお気軽にご参加ください。