2023/12/21
SIG-ID「第16回定例ゼミ」開催報告
●第16回:2023年11月30日(木)10:30~11:10
●参加者数:7名
●発表者:市川尚
●テーマ:非認知能力(非認知的スキル)
文献:
・Pedersen, J. (2020). Insights and Development of Non-cognitive Skills. In M.J. Bishop, E. Boling, J. Elen, & V. Svihla (Eds.), Handbook of Research in Educational Communications and Technology (Fifth edition), pp. 301-319, Springer.
第16回のテーマは、非認知能力(取り上げた文献では非認知的スキル)でした。この文献では、非認知的スキルの研究動向が整理されており、定義、重要性、発達可能性、教育との関わり、インストラクショナルデザイン(ID)への示唆について述べられています。非認知的スキルは、人生に大きく影響を及ぼす発達(育成)可能なスキルであり、早期から育成すべきとされています。非認知的スキルを発揮するには認知的スキルも必要となります。教員側においては、認知的スキルと非認知的スキルの両方の育成に長けている教員が比較的少ないこと、現状では認知的スキルの育成に長けている教員の方が評価されやすいとのことです。IDへの示唆としては、(1) 有意義で活動的な経験,(2)協働,(3)情動,(4)評価とフィードバックという4つの要素について、設計上の留意点などが詳しく述べられています。認知的・非認知的スキルを獲得するには、このうちの1つの要素だけではなく、これらの要素すべてを取り入れていく必要があるとされています。当日は、非認知的スキルをどのように測っていけばよいのかという評価の話や,非認知的スキルに含まれる概念の多さや自己調整学習との対応などの議論がなされました。
文責:市川尚(岩手県立大学)
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