SIG-ID「第14回定例ゼミ」開催報告

●第14回:2023年7月24日(月)15:00~15:40
●参加者数:6名
●発表者:杉浦真由美
●テーマ:アンラーニング

文献:
・松尾睦(2021)仕事のアンラーニング.同文館出版
・山口多恵・酒井郁子・黒河内仙奈(2017)“アンラーニング”の概念分析.千葉看会誌,23(1):1~10
・Pratima Khandelwal, Poorna Shankar, and Upendra Raje Siddiraju(2022)Skillsets and attributes for enhanced teaching–learning outcomes at higher educational institutions in disruptive times,Academic Voices, 227-238

第14回で取り上げたテーマは「アンラーニング」です。近年、教育には新しいパラダイムが必要とされている中、これまで実践してきた教育方法から新たな方法に転換することはそう簡単ではありません。教育に関する新たな知識やスキルを身につけるためには、前提としてアンラーニングが必要なのではと考え、このテーマを扱いました。

アンラーニングは、「時代や環境の変化により有用性を失った知識や技術、価値観、ルーティンを脱却して新しいものを獲得する連続的なプロセス(山口ほか 2017)と定義づけられています。アンラーニングに必要な観点はいくつかあり、一つは、獲得した知識や技術は永遠に使えるとは限らないことを知っておくという点です。そして、信念の積極的な再検討と破壊が必要であり、一旦取り入れた知識や技術は、状況に合わせて絶え間なく点検する必要があるということでした。

参加者とのディスカッションでは、アンラーニングに影響を及ぼしている要因として「マインドセット」「教えられた経験」「強力な信念、価値観」などが挙げられました。そして、アンラーニングには“深いリクレクション”と不必要な知識や技術を “デトックス”する包括的なアプローチの考案が求められるという議論に至りました。私自身、教員や管理職などに向けて新しいノウハウを提供する機会があります。そういった際には、前提としてアンラーニングを取り入れるなど、今回検討したことを活かしていきたいと思いました。

文責:杉浦真由美(北海道大学)


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