SIG記事SIG-ID 第4回定例ゼミ開催報告 開催報告 2022/11/30 SIG-ID 「第4回定例ゼミ」開催報告 ●第4回:2022年05月18日 13:00~14:00●参加者数:7名●テーマ:進化心理学(Evolutionary psychology) 紹介した論文:長谷川 眞理子(2001).進化心理学の展望 科学哲学,34(2),11-23. Sweller, J. (2020). Cognitive load theory and educational technology. Educational Technology Research and Development, 68, 1–16. 進化心理学とは,「ヒトの脳の働き,すなわち心が進化の産物であることの認識にたった心理学」と定義されています(長谷川 2001). Sweller(2020)は,認知的負荷理論を進化心理学の視点でとらえなおしたうえで,認知的負荷理論に基づく適切なeラーニングのガイダンスを提供することを目的としています.本論文によると,知識は「生物学的一次情報(人間の生存にとって重要で,無意識に獲得される情報)」と「生物学的二次情報(明確な指導や学習者の意識的な努力が必要)」に分割でき,認知的負荷理論はドメイン固有の二次情報の習得に重点を置いた理論であるとのことでした.論文後半では,認知的負荷理論によって生成された7つの原則の紹介がありました. ディスカッションでは「本論文だと問題解決能力なども一次情報に位置付けられているが,教育できないということか?」「問題解決能力のスコープやレベルが,現代と狩猟採集時代とでは異なるのでは?」など,興味深い議論ができました. 文責:高橋暁子(千葉工業大学) レジメなどの詳細は,SIG-IDのWebサイトに掲載しています.IDにご興味ある方はお気軽にご参加ください.