学習環境部会

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25年春季全国大会企画セッションの報告

2025年3月9日 2025年春大会 重点活動領域セッション:学習環境デザインプロセスの多様性と共通性の考察

2025年3月9日(日)15:05-16:30、日本教育工学会2025年春季全国大会(第46回)於成城大学にて、重点活動領域セッションを開催しました。

まず、部会長の大阪教育大学の山本良太先生から、本部会の目的や、学習環境の枠組み、ダブルループデザインモデル、本セッションの目的の説明が行われました。

これまで、初等・中等教育領域では、久川慶貴先生(春日井市立藤山台小学校)、三宅貴久子先生(瀬戶SOLAN小学校)の2名に、高等教育では、倉田伸先生(⻑崎大学教育学部)、上田勇仁先生(職業能力開発総合大学校)の2名、合計4名にインタビュー調査を行なってきました。
前半は、初等・中等教育領域として、東京都立大学の伏木田稚子先生、大阪教育大学の山本良太先生から、インタビューから得られた、学習環境デザインプロセスについて紹介されました。

共同体を教室につくることや、つながりと活動を人工物で支援すること、教師の信念に関連したデザインの起点、学習環境の側面の不可分性、実践の展開に伴う学習環境の拡張などについて示唆を得ました。

続いて、高等教育領域として、立命館大学の香西佳美先生、熊本県立大学の森裕生先生から、インタビューから得られた、学習環境デザインプロセスについて紹介されました。

学習環境デザインの基点としての活動・空間や、出発点としての人工物、活動を支えるための人工物の活用、共同体の特徴の把握などについて示唆を得ました。

後半は、参加者の方がご自身の学習環境デザインプロセスについて振り返る活動を行いました。
ワークシートに基づいて、デザインがどのような考えに基づいているのか、何を起点にどのようにデザインを展開しているのか、それぞれの共通点・相違点がどこにあるのかをまとめ、近くの方と共有していただきました。

最後に、参加者の方から、ディスカッション内容を共有していただきました。学習環境デザインの4側面を使うことの意義、4側面の解釈や分類の難しさ、知見をデザインへと還元する際の考え方など、様々な観点より部会が提示した暫定的な結果および考察に対する意見交換がなされました。
本セッションには、約40名の方にご参加いただきました。ご参加いただきました学会員の方々、誠にありがとうございました。

文責:中村謙斗