【特集記事】研究奨励賞について

顕彰委員会委員長 赤倉貴子(東京理科大学)

 顕彰委員会委員長を仰せつかっております,赤倉貴子(あかくらたかこ)と申します。どうぞよろしくお願いいたします.

 顕彰委員会の仕事は,論文賞研究奨励賞を選定することです.論文賞は論文誌に掲載された論文に対する賞ですが,研究奨励賞は春季全国大会及び秋季全国大会で優秀であった発表に対して贈られるものです.まもなく本年度の秋季全国大会が開催されます.開催にあたり,若手の研究者の皆さまには是非とも研究奨励賞を目指していただきたいと思い,ここでは研究奨励賞について少し解説することにいたします. 研究奨励賞の選定方法は次のようになっています.まず,秋季全国大会終了後及び春季全国大会終了後に,優秀であった発表を理事,代議員の方に推薦していただきます.対象者は原則として表彰時に40歳を超えていないこととなっております.推薦された発表全てに対して,理事,代議員を対象として第一段投票を実施します(5月).それを顕彰委員会で開票し,上位5~6編程度の発表を対象として,再び理事,代議員を対象として第二段投票(6月)を実施するのですが,ここが投票結果だけで決定する論文賞と大きく違うところで,第二段投票では,投票を顕彰委員会で開票するとともに,候補者に候補者の過去の日本教育工学会全国大会での発表,同研究会での発表、論文誌への掲載(これは論文だけでなく,全ての掲載形態を対象としています)等の業績を提出していただき,これを内規にしたがって顕彰委員会で点数化し(いわゆる持ち点となるもの),これを投票点数に加えて順位をつけます.したがって,発表が大変すばらしく,投票の得点が高くても,その大会が初めての発表であり,過去に日本教育工学会では一度も発表がなく,論文誌への掲載もない,というような場合は表彰対象となることは,ちょっと難しいかもしれません(偶然,その年の対象者が全員初めての発表で過去の発表もないというようなことがあれば別ですが).結果を理事会(7月)に報告し,承認されれば研究奨励賞が決定いたします.本年度,第39回目となりました研究奨励賞には,1件の研究発表が選ばれました.論文賞とともに,9月の全国大会で表彰が行われます.研究奨励賞がこのような仕組みで選ばれる関係上,この賞を受賞するためには,対象となる全国大会での研究発表がすぐれているだけでなく,日本教育工学会の研究会,全国大会で積極的に発表していただき,さらにはそれを論文誌に投稿していただいて「持ち点」を増やしていただくことが重要となります.すなわち,研究奨励賞はそのときの発表だけではなく,それまでの発表実績等の研究業績が加味されての賞であることをご理解いただき,若手の研究者の皆さまには是非とも積極的に,全国大会・研究会での発表,論文誌への投稿をなさっていただきたいと思います.