【特集記事】重点活動領域・情報教育部会の活動について

重点活動領域委員会・情報教育部会代表 寺嶋浩介(大阪教育大学)

学会の第1期重点活動領域として3つのテーマが立ち上がりましたが,私はそのうちの情報教育部会の代表者として仰せつかり,ここまで2年弱の活動をメンバーの方々が進めるところを支援をしてまいりました。

部会長として依頼されたおり,「情報教育」という言葉は学会で古くから大切にしてきた教育工学の一分野であり,それを大切にしたいというメッセージを受け取りました。確かに,学会の諸先輩方の研究成果や努力があり,ここまで発展してきたことを感じます。近年では,この分野が学校における実践研究の表舞台に出てきていることを実感しています。

情報教育部会としては,この流れをさらに発展させるために,限られた中ではありますが,2つの取り組みを進めています。

ひとつは,研究者として至極当たり前のことですが,過去に学ぶ,ということです。良くも悪くも,情報教育に関する研究は,その時の政策や学校現場でのトレンドに左右されがちです。近年では情報モラル教育,プログラミング教育に関する研究が特にそれに当てはまります。これらの研究について学会としての取り組みをまとめながら,今後の研究の方向性を明確にしようとしています。

もうひとつは,今後の情報教育や人材育成に関わって,情報活用能力に関する実態調査の項目づくりや調査の試行を行っています。現在は教員養成学部の学生を対象とした調査ですが,将来的には様々な属性の人々への調査や比較検討,個人レベルではなかなかできない経年調査,調査データのオープン化などができれば,学会員の研究の進展につながるのではないかと個人的には期待しています。

こうした取り組みを進めるに当たり,メンバーを検討するに当たっては,少なくとも自身より若い方,そして今後学会の中心を担われる方々がよいと考え,コアメンバーとしてお願いしました。この皆さんが中心となり,出身研究室や所属先の違いを超えて,ほかの方と協力をしながら,今後のこの分野を盛り上げてくれると思っています。ベテランの方には,こうした活動を暖かく見守っていただき,ご支援をいただければ幸いです。

なお,最近の成果報告として,以下に春季全国大会での報告をしておりますので,あわせてご覧いただければ幸いです。