AECT2023でのJSETセッション報告とAECT2024へのお誘い

国際委員会委員長 岩﨑千晶(関西大学)

 日本教育工学会が連携をしているAECT(Association for Educational Communications and Technology  https://aect.org/)の国際会議が,2023年10月14日から19日までフロリダで開催されました。今年はAECT100周年を記念する大会でした。本学会からは,美馬のゆり副会長,岩﨑千晶(国際委員会委員長)がJSETセッションで報告しました。美馬副会長はJSETが実施した会員アンケート調査の結果と今後の展望について,岩﨑は日本の高等教育におけるChat GPTの活用について発表しました。この会場にはJSET秋季全国大会のPresident Talkで発表をしてくださったAECT会長であるDavid Wiley 氏が参加し,発表に対してコメントをしてくださいました。また会場には,日本から参加したJSET会員も複数名いました。その後JSETからの参加者たちでランチ会を開催し,AECTやJSETの活動について意見交換を行いました。
 AECTの国際会議は例年10月に開催され,その発表申し込みは2月ごろにあります。2024年はKansas City,2025,2026年はChicago での開催が予定されています。コロナ以後はハイブリッド形式で国際会議が開催されていますが,来年は現地でAECTに参加してみてはいかがでしょうか?
 初めての国際学会を経験するには,AECTは適した学会だと思います。1人で参加するには不安があるかもしれませんが,そこはご心配ありません。大会期間中はInternational Divisionの部屋が設けられており,困ったことがあれば,スタッフが丁寧にサポートしてくれます。世界中から参加者が集うInternational Divisionの食事会もあり,有料ですが自由に参加できます。食事会では,寄付を兼ねたゲームやオークションが行われ,それらの活動を通した交流の機会があります。この売り上げは,奨学金などに充てられます。今年は美馬副会長が着物の帯地で作ったバッグを,岩﨑が茶道の道具を寄付し,オークションにかけられました。日本の伝統工芸品は,とても人気があります。寄付する人も,オークションに参加する人も,奨学金をもらう人も,みんなが笑顔になる企画です。
 また中国や韓国からの参加者は多く,AECTの中で各国のコミュニティも形成されています。中国がSICET(The Society of International Chinese in Educational Technology)のセッションを,同様に韓国がKSET(Korean Society for Educational Technology)セッションをもち,発表がされています。中国や韓国と比較すると日本からの参加者はまだまだ少ない状況です。来年はぜひKansas Cityにて一緒に参加してみませんか?