第34回日本教育工学会全国大会を迎えて
日本教育工学会 第8代会長 鈴木克明(熊本大学)
2018年9月
第34回日本教育工学会全国大会を東北大学で開催できますこと,関係各位に心から感謝申し上げます.ご参集いただく学会員の皆さまそれぞれにとって,収穫の多い,そして,楽しいひと時になりますことを祈念しています.
初めて参加される非会員の方々,これを機会にぜひ本学会への入会を検討して下さい.そして入会の意思決定を近い将来,実行に移して下さい.この学会は楽しいですし,あなたの教育実践にすぐに役立つ研究成果が溢れています.この機会に,新しく仲間入りして下さることを歓迎します.
今回発表するために入会した新会員の方々,緊張しているかもしれませんが,この学会には悪い人はいませんので,安心して発表して下さい.建設的な意見交換をして,明日からの実践に役立つヒントを得て下さい.また,お気に入りのSIGが見つかったら,ぜひ活動に積極的に参画して下さい.どのSIGもボランティアを求めています.あなたの力添えを必要としています.同じ関心を持つ仲間と研究活動ができることは,学会員になったことがもたらす大きな喜びですから,存分に楽しんで下さい.
指導する学部生・大学院生の発表支援が主目的の先生方,事前指導をしっかりして自信をもって発表できるように準備させてあげて下さい(私も頑張ります).全国大会で発表することで,指導する学生がまた一つ成長することでしょう.発表が終わったら,良くできたことを共に喜び,次はこうしたらもっといいよ,という助言を少しだけして,懇親の場で大いにねぎらって下さい(私も心がけます).そして,本学会の将来を担う人になってくれるように導いて下さい.
教育工学は,人が学ぶことをどのように支援するかを探究している学問分野です.その研究成果を活用して,この全国大会も「学ぶ場」としてデザインされています.毎年やるたびに,改善を重ねてきました.しかし,どうやれば多種多様のニーズを持った人たちの学びを支援できるのか.この探究には唯一の「正解」は存在しません(どの教育現場でも同じですね).この大会は,教育工学研究者が知恵を出し合ってたどり着いた現時点での自己ベストです(TOK風の表現ですね).気がついたことがあったら「もっとこうしたらより良い学びの機会になるのではないか」というアイディアをぜひ聞かせて下さい.次のチャンスに会員の皆さまからのアイディアを生かしていきたいと思います.単なる文句ではなく(みんなボランティアでやっているのでお手柔らかに・・・),建設的な意見・アイディアを聞かせて下さい.毎年よくなっていく全国大会を経験するのは,とても楽しいことです.全国大会以外の「学ぶ機会」についてもご意見を歓迎します.
全国大会は,毎年一番多くの会員が集う,晴れの舞台でもあります.海外からの賓客をお迎えし,新しい関係構築をお祝いする.活躍が目覚ましい若手会員を奨励し,多くの研究論文の中から厳正に選ばれた論文賞に輝いた研究をみんなで味わう.功労の顕著な先達を称え,感謝する.そんな晴れ舞台である全体会にもぜひお越し下さい.
いつか自分も舞台に立つ日を夢見て,気持ちを新たにすることができるでしょう.
来年度からは,3月の研究会を格上げして,全国大会を年2回化します.「両方とも参加したい」と多くの皆さんに思ってもらえるよう,鋭意準備中ですので,どんな展開になるか,どうぞご期待下さい.楽しく有意義な思い出とともに仙台を後にしましょう!