新年のご挨拶
学びを支える教育工学研究の活性化を
日本教育工学会 第7代会長 山西潤一(富山大学)
2014年2月
新しい年を迎え,会員の皆様にあっては,心新たに今年一年の計を考えてお られることでしょう.2020 年の東京オリンピック・パラリンピック開催の決 定や目前に迫ったソチ冬季オリンピックの開催と,このところなんとなく国中 がわくわくし,元気が出てきた感じがしています.世界を相手に頑張る若い力 の台頭がめざましいこの頃,学会でも若い研究者にどんどん世界を相手に頑張 って欲しいと思います.2020 年は,21 世紀にふさわしい学校教育の実現をめ ざす教育の情報化の目標年でもあります.昨年6月に閣議決定された,第2期 教育振興基本計画でも,「自立・協働・創造モデルとしての生涯学習社会の構 築」を掲げ,学校教育から高等教育,生涯学習に至る現代的教育課題の解決に 向けた施策の中に,教育工学が研究対象とする様々な分野が含まれています. 学びを支える教育工学研究の果たす役割がますます求められているのです.
学会にとって,今年は創立 30周年の記念すべき年でもあります.30周年記念企画として,「グローバ ル化時代における国際連携」「デジタル時代の新しい学び」の2つのテーマが検討されています.前者で は,アジアはもとより欧米諸外国の教育工学関連学会との学術交流を強め,教育工学を担う研究者の活 躍の場を広げて行きたく思います.後者では,教育の情報化や PISA 型学力問題などをとおして,次代 が求める能力や21世紀にふさわしい学びと教育工学研究について考えたいと思います.又,現代的教育 課題を学会として持続的・組織的に研究していく場のあり方についても検討して頂いています.
先達の築いてこられた教育工学を,30 周年の節目を契機に,未来に向けた発展の一歩になるよう,会 員の英知を集め,学際的視野に立った教育工学研究をすすめて行きたく思います.皆様のご支援,ご協 力をよろしくお願い申し上げます.