会長・副会長挨拶
創立20周年を振り返って
日本教育工学会 第4代会長 清水 康敬
2005年1月31日
昨年(2004年)に本学会は創立20周年を迎え,記念事業を種々行いました.2005年の新春を迎え,創立20周年を総括してみたいと思います.
創立20周年記念事業
創立20周年を記念して実施しました事業を以下にまとめてみます.
(1)英文略称をJSETに変更しました
本学会は,創立以来JET(ジェット)という略称を使ってきましたが,国際的にみてわかりにくいとの指摘がありました.そこで,本学会の英称Japan Society for Educational Technology の頭文字をとってJSET(ジェイセット)と変更しました.また,それに伴いJSETのロゴマークをデザインし,ニューズレター、学会論文誌,学会ホームページに使っています.
(2)学会論文誌のデザインを変更しました
論文誌表紙を新たなデザインとしました.明るいイメージとなり好評を博しております.
(3)学会ホームページをリニューアルしました
学会の顔となります学会ホームページを新しいデザイン,新しい構成にしました.また,学会のURLとして新たにhttp://www.jset.gr.jp/を取得して,外部委託によるサーバで提供することにしました.
(4)会員データベースを新たに開発しました
学会員に対して細かなサービスができるように,新しく会員データベースを開発しました.会員は,会員専用ページにアクセスして会員登録情報(住所,所属機関等)や会費納入状況を確認することができます.そのため,変更を要する時の学会事務局への連絡などが容易となりました.
なお,会員専用ページはID/パスワードで認証し,SSLで暗号化して通信内容を保護しています.
(5)電子投稿を開始しました
インターネットを利用した学会論文誌への電子投稿を開始しました.会員専用ページから「論文を投稿する」ボタンをクリックして,電子投稿することができます.また,編集委員会から示された条件付採録に対する修正原稿の提出もこのメニューから行うことができます.勿論,今まで通りプリントした原稿を直接郵便などでお送りいただくこともできます.
(6)論文査読管理システムを開発しました
学会に投稿された論文等の査読管理業務を円滑にするために,論文査読管理システムを開発しました.このシステムは編集委員会における論文著者と査読者からの審査結果のやりとりや,編集委員会における決定などをサポートするシステムです.また,投稿した論文が事務局で受理されたか,査読中なのか,などを確認することができます.
(7)全国大会受付を電子化しました
全国大会の発表申込のインターネットによる電子受付システムを開発しました.このシステムを昨年(2004年)の全国大会の申込受付として利用しました.受付システムでは会員のIDとパスワードが必要となりますが,IDとパスワードを忘れた会員には再発行をしました.また,発表者は年会費を納入された会員であることが発表の条件となっていますが,この条件も自動的にシステムがチェックするようになっています.
(8)創立以来の学会のwwをまとめました
創立以来のニューズレターを全て調べ,20年間の行事やニュースを整理して「学会の歴史」としてまとめました.その結果を学会ホームページに掲載しました.
(9)創立以来の研究発表のデータベースを作りました
学会論文誌に掲載された論文,全国大会における一般研究,課題研究,シンポジウムにおいて発表された予稿,研究会で発表された資料について,題名,著者,発表種別,発表セッション,発表年を整理してデータベース化し,学会ホームページから検索できるようにしました.このデータベースは本学会の会員だけが利用できます.
(10)全国大会において記念行事を行いました
昨年(2004年)9月に東京工業大学で開催されました全国大会において創立20周年記念行事を行いました.まず,遠山敦子元文部科学大臣に基調講演をお願いし,「これからの学校と大学 ─確かな学力と教育の情報化,大学教員に求められること─」について貴重なお話をいただきました.また,米国のISTE (International Society for Technology in Education)の理事であるパイパー先生をお招きして「Thinking forward: Theory and Application of Information and Communication Literacy in Schools」についてお話をいただきました.さらに,韓国教育工学会(KSET, Korean Society for Educational Technology)と共催で課題研究のセッションを設け,「e-Learning: policies, practices and research」について討論しました.
(11)文部科学省から研究委託を受けています
ICT(情報コミュニケーション技術)を活用した教育が重要となり,教育の情報化が求められています.しかし,何のために学校コンピュータやインターネットの環境を整備する必要があるのかについても問われています.そこで,ICTを活用した教育による学力向上に関する調査研究を文部科学省から委託されました.その成果についてはまとまり次第会員に報告します.
2. 新役員の選出について
今年は役員選考の年となります.会長の任期は4年間までとなっていますので,新しく選出される会長に引き継ぎたいと思います.また,理事と評議員,監事も半数交代となります.2月には正会員による選挙が行われますので,投票をよろしくお願いいたします.選挙では,学会援助に対してボランティア的に仕事をしてくれる方が役員となることを願っています.特に理事には役割を分担してボランティアでも活動していただくことになりますので,理事会に出席でき,メールでのやり取りに積極的な方を選出していただきたいと思います.
私は4年間会長をさせていただきましたが,一部の理事にロードが多くかかったことが気になります.本学会の場合,理事は名誉職のような位置付けではないと日頃から思っている次第です.新会長の下に新しい体制ができることを期待しています.