会長・副会長挨拶
第19回全国大会の開催に際して
日本教育工学会 第4代会長 清水 康敬
2003年10月11日
本年の第19回全国大会は岩手県立大学にお世話になることになりました.今大会の発表総件数は437件で,過去最大となりました.2001年度(鹿児島大学)が424件,2002年度(長岡技術科学大学)が400件でしたので,毎年400件を超える発表となっています.発表を分類しますと,シンポジウム9件,(昨年20件),課題研究38件(同39件),一般研究381件(同331件),English Sessionが9件(同10件)です.これから一般研究が増加していること分かります.このように多くの会員が一般研究発表に申し込まれたことは喜ばしい限りです.大会当日には活発な討論が行われるものと期待しています.
今後はこれらの研究発表をさらに発展させて,本学会の論文誌に投稿していただくことを期待しています.和文論文誌は年5回ですが,その内1回はショートレター特集号です.本学会の編集委員会では査読の迅速化を進めておりますし,印刷のあり方を再検討することによって採録決定から発行までの期間を大幅に短縮することにいたします.最近投稿される論文数が増えていますが,さらに多くの論文が投稿されることを期待しています.尚,論文投稿にあたり留意していただきたい点と査読の進め方を全員に理解していただくために,「教育工学研究と論文のまとめ方」を学会ホームページに掲載しました.論文を投稿される際には是非一読してください.
次に,日本の大学においてもeラーニングが少しずつ注目されています.本年7月に政府のIT戦略本部が出したe-Japan戦略IIにおきましても,大学教育におけるITを活用した遠隔教育の重要性が述べられています.そして,2005年度までにeラーニングを実施する大学学部・大学院を,2001年度の3倍以上とするという目標も示されています.また,文部科学省が8月末に財務省に提出した概算要求にも,「ITを活用した遠隔教育(e-Learning)の推進」として21億4千万円が計上されています.このような状況から,今回の全国大会の発表の中に大学教育におけるeラーニングに関する研究が多くなっています.今後もこの分野における本学会の役割が重要となっています.
来年の第20回全国大会は,9月23日(木)~25日(土)の3日間の予定で東京工業大学において開催されます.本学会の創立20周年を記念した全国大会となります.創立20周年記念行事につきまして検討を始めておりますが,多くの会員のご協力とご支援を賜りたくよろしくお願いします.本学会の会員数が2000名を超えましたが,来年度の大会までにさらに多数の新入会員を迎えて,創立20周年記念に相応しい全国大会になることを願っています.
最後に,今回の第19回全国大会を開催するに当たりお世話になりました,岩手県立大学の西澤潤一学長と鈴木克明教授(実行委員長)をはじめとする大会実行委員の方々に深く感謝します.また,全国大会の企画とプログラム作成を担当してくださいました,大会企画委員会の園屋高志委員長(鹿児島大学教授)と室田真男委員(東京工業大学助教授)をはじめとする委員各位,並びに本学会事務局(JAPET内)に感謝します.