会長・副会長挨拶
副会長(戦略・国際担当)として
日本教育工学会 副会長 美馬のゆり(公立はこだて未来大学)

堀田会長の第2期が始まりました。私は、第1期に引き続き、副会長として戦略・国際を担当します。今回、2つの活動について紹介します。
ひとつは、第1期において会長から諮問されていた「日本教育工学会の企画戦略について」、2年間の活動を経て、2021年4月に諮問された件について、企画戦略ワーキンググループ(以下、企画戦略WG)として2023年03月に答申しました。この内容は、学会公式サイトのトップページから、学会概要>学会将来戦略に掲載致しましたのでご覧ください。
企画戦略WGは、2020年11月に鈴木克明会長(当時)に提出された将来構想WGの答申実現に向けた短期計画、2030年までの中期計画を立てるためのロードマップを作成するため、2021年4月に堀田龍也会長のもとに設置されました。そのロードマップを作成する過程においては、学会運営のための人材も育成していくことを念頭におきつつ議論を重ねてきました。
本WGの取り組みでは、答申の達成目標を実現するために、学会活動に関わる人たちに大規模に「日本教育工学会会員サービス向上と国際化に向けた意識調査」としてアンケート調査を実施するとともに、その結果から得られた現状に基づいて適宜理事会に報告してきました。その結果を受け、担当理事や委員会は、可能なかつ、迅速に対応する必要があるものから改善に取り組んでいきました。分析を進めながら改善を進めたこの活動は、学会創設以来はじめての試みでした。それと並行して、個々の改善が進んでいく一方で、答申の達成目標に向け、各委員会単位ではなく、より大きな単位での改善や組織構造を超えた取り組みの必要性も見えてきました。
今後は中期計画を策定し、中長期の継続的な発展を進めていくために2点の議論が必要であると考えます。詳細については、ウェブサイトをご覧ください。
2つめは、第1期の堀田会長のもと、学会として重点的に取り組んでいる領域を社会に示し、学会としてのプレゼンスを高め、社会貢献に寄与することを目指すために、重点的に活動する領域として「情報教育部会」、「学習環境部会」、「学習評価部会」3つの部会を発足し、活動してきました。第2期では新たに、「先端科学技術とELSI部会」を立ち上げました。代表は稲葉利江子(津田塾大学)さん、副代表は今井亜湖(岐阜大学)さんです。これまでの3つの部会の活動では、各領域について関心のある研究者が集まり、研究などを実施したり、大会でセッションを設けて議論を深めてきました。今回それらの活動と異なるのは、「研究領域」というよりは、倫理的・法的・社会的問題(ELSI)について、領域横断的に検討していきます。ELSIの視点から先端科学技術の教育利用について考えていきます。まずは、様々な分野でこの問題についてどのような取り組みがなされているかなどの動向について、学会員をはじめ、社会に対して継続的な情報を共有・発信していきます。また意見交換の場を提供し、教育工学的な視点から教育の在り方を創出していくことを目標としています。今後の活動にご注目ください。