全国大会や研究会における新たな取り組み
日本教育工学会 副会長 村上正行(大阪大学)
日本教育工学会ニューズレター NO.257より(2023年3月)

会員サービス向上担当副会長の村上正行です.ニューズレターにおける副会長の挨拶シリーズ,今回が現執行部の最後となります.本号では,日本教育工学会の全国大会や研究会における新しい取り組みについて,紹介させていただきます. 大会企画委員会では,2019年より年2回の開催となった全国大会の企画,運営を行っています.2022年09月にカルッツかわさきで行われた秋季大会では,3年ぶりに対面での全国大会を開催することができました.とはいえ,まだいろいろな制約もあり,過去2年間のオンライン開催の経験も活かしつつ,対面とオンラインを組み合わせたハイブリッド形式での実施となりました.会場でできるだけ多くの発表をしていただけるように,その上でソーシャルディスタンスを確保するために,会場の配置や入れ替えを工夫していただいて140件の発表をしていただくことができました.オンデマンド発表も137件で合計277件の発表,751名の参加,うち対面参加が407名となり,盛会のうちに終えることができました.ただ,オンデマンド発表は十分な議論ができなかった,という課題もあり,2023年の秋季大会に向けて,全国大会の新たなあり方について検討してくださっています.
2023年03月に東京学芸大学で開催される春季大会では,学生の研究発表を活性化するための取り組みが行われます.その1つに昨年から始まった学生セッションがあります.このセッションでは,研究発表だけではなく,学生同士の議論も行ってもらうことで,お互いの研究に対する理解を深めるとともに,交流の促進を狙っています.さらに,今回から新たに学生セッション優秀発表賞を設立し,よりモチベーションを高めてもらうことを目指しています.今回の春季大会では,学生セッションとして14セッション,48件もの発表があります.多くの会員のみなさまに,ぜひ学生セッションに参加していただき,活発な質疑をしていただければありがたいです.また,1日目の午前にはチュートリアルセッションとして,主に学生やJSETの参加経験が少ない方に向けて,大会・研究会参加にあたっての心得について,座談会形式で議論します.ぜひ,こちらにもご参加ください. 研究会委員会では,年4回の研究会を開催しており,2022年07月から対面での開催ができるようになりました.発表者は対面で発表を行い,オンラインでの配信も行うことで,会場でもオンラインでも発表を聞くことができます.2023年度は,4回の研究会のうち1回を完全オンラインとすることで,オンラインでの発表も可能となりました.年間を通して,多様な形態での発表,参加ができるように工夫していただいています.
2022年度には,徐々に対面でのイベントが可能となり,みなさんとお話できる機会を通して,改めて対面の良さを感じています.もちろん,参加のしやすさなどオンラインの良さもあります.このようにコロナ禍での経験を踏まえて,対面での交流,オンラインでのイベントへの参加,など,多様な形態で研究の議論や情報収集,提供ができるようになった,と言えます.教育工学という分野の研究をしている私たちだからこそ,1人1人がさまざまな挑戦を続けてほしいと思いますし,私自身も本学会がよりよいコミュニティとなっていくように努力していきたいと思います.日本教育工学会での活動,楽しんでいきましょう!