教育工学研究を進めるためのコミュニティを形成する委員会活動

日本教育工学会 副会長 村上正行(大阪大学)

日本教育工学会ニューズレター NO.252より(2022年03月)

 堀田龍也会長のもと,一般社団法人日本教育工学会の新たな体制がスタートして1年が経とうとしております.ニューズレターにおける副会長の挨拶シリーズも第4回,最後となりました.会員サービス向上担当の村上正行が務めさせていただきます.

 私が担当する委員会は,大会企画委員会,研究会委員会,SIG委員会となります.会員のみなさまに研究を発表していただく,議論をして研究を深めていく,新しい研究の情報を収集してもらう,といった場を提供することが目的となります.

 大会企画委員会では,2019年より年2回の開催となった全国大会の企画,運営を行っています.森田裕介委員長のもと,春季大会と秋季大会の役割分担と連携,包括的な運営を目指しています.秋季大会は「じっくり議論」を目的として,ポスター発表やチュートリアル,キーノート・シンポジウムを実施しています.春季大会は「ゆったり発表」を目的として,口頭発表や学生セッション,自主企画セッションなどを実施しています.それぞれ,根本淳子副委員長(秋季担当),松河秀哉副委員長(春季担当)のもと,大会企画委員会,大会実行委員会のみなさんにご尽力いただいております.

 研究会委員会では,年4回の研究会を開催しています.西森年寿委員長,森本康彦副委員長のもと,さまざまな改革が進められています.2021年度より年間パス制度を導入し,会員のみなさまにとって複数回の参加がしやすくなっています.また,研究報告集を電子化し,J-Stageで公開されるようになったことで,研究内容の共有がしやすくなりました.非会員の方による発表や参加も多数あり,本学会の活動内容を知ってもらう役割も果たしています.

 SIG委員会では,2014年度からスタートしたSIG(Special Interest Group)の運営支援を行います.SIGは会員の発案したテーマに基づいて情報共有や研究開発を進めていく活動で,2020年度まで2期6年,研究会やセミナーなどが活発に行われてきました.2022年度からリニューアルし,新たに5つのSIGが活動を始めることになりました.永田智子委員長,重田勝介副委員長のもと,各SIGの積極的な活動が進められていくこと,期待しています.

 みなさまもご存知の通り,2020年からコロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で,さまざまなイベントがオンラインでの開催となりました.この状況で,教育工学ができることはなにか,ということを考え,模索しながら準備や運営をしてきました.オンライン開催によって,研究会の参加者は増加するなど,イベントへの参加がしやすくなるといったメリットもあります.しかしながら,会員同士の新しいつながりが生まれにくい,といったデメリットもあり,難しさを改めて実感しています.ニューノーマル時代において,教育工学研究を進めるためのコミュニティを形成していくことができるように,さまざまな面において努力していきたいと思います. 会員サービス向上の担当副会長として,会員のみなさまが本学会で活動することによって,研究をいい形で進められる,深められるような環境を提供していきたいと思いますので,ご意見,ご要望などありましたら,遠慮なくご連絡いただければ幸いです.ぜひ,日本教育工学会を楽しく盛り上げていきましょう.