法人化への道のりと学会運営を支える委員会活動

日本教育工学会 副会長 室田真男(東京工業大学)

日本教育工学会ニューズレター NO.249より(2021年6月)

一般社団法人日本教育工学会の堀田龍也新会長のもと,副会長が4人体制になりました.本号より252号までのニューズレターの巻頭挨拶は,新副会長からの挨拶をお届けいたします.各副会長は担当が決まっていますので,それぞれの担当分野における活動内容や方針,そして学会員の皆さんからは見えにくい委員等のがんばりの様子などをお届けする予定です.

副会長挨拶シリーズ1人目は,総務・広報担当の私がお届けします.私が担当する委員会は,総務委員会,広報委員会,顕彰委員会,選挙管理委員会です.

総務委員会の業務は,理事会の運営,代議員総会の運営,事務局の運営,法人の規定整備など多岐にわたります.会員数3,300名を超える本学会の財政基盤を安定させ,学会のミッションが達成されるよう各種事業をスムーズに展開できる基盤を構築し,運用していくことがミッションです.

昨年度の総務委員会は例年以上に忙しい年を送りました.学会の一般社団法人への移行を進めたためです.学会を法人化することは長年の懸案事項でしたが,移行のための労力の大きさと,法人化することによって得られるメリットを検討した結果,任意団体のまま留まっていたのが実情でした.しかし,会員数が増加し事業規模も大きくなってきたことを踏まえ,鈴木克明前会長が一般社団法人に移行させるという決断をされました.その任は,総務委員会が引き受けることとなりました.法人化に向けて,司法書士と最初に話し合いをしたのが,2019年07月です.その後の法人化に向けてのマイルストーンを示すと次の様になります.同年09月の秋季大会において会長から法人化を進める旨の方針説明.法人の定款を新規作成し,同年11月の理事会で承認.2020年02月発行のニューズレターに新法人への移行説明および定款を掲載しパブリックコメントを募集.2020年06月の総会にて一般社団法人への移行ならびに定款を承認.2020年12月に公証役場にて定款の認証手続き.2021年01月04日に法務局に設立登記申請.2021年春季大会中の03月07日に任意団体臨時総会にて解散・財産移行を承認.同日の新法人代議員総会にて新理事の承認.さらに同日の新法人理事会において堀田新会長を選定.2021年03月31日に任意団体の解散届を提出.そして,2021年04月01日より新法人が本格的に活動を開始しています.マイルストーンだけ見るとすんなりと進んだように見えますが,法人化に向けてのスケジュール策定から始まり,定款の整備,登記等に必要な書類の用意,銀行口座等の移行など膨大な量の作業がありました.それらをスケジュールどおりに進めることができたのは,益子典文総務委員会委員長を始めとする総務委員の皆様のご尽力のおかげです.

そして,法人化後も総務委員会は忙しく活動しております.これからやることも山積みです.法人化後の運営をスムーズに進めるための規程や体制の整備,学会の財政基盤安定化のための方策,デジタルインフラの整備等が喫緊の課題です.理事や会員の皆様のご意見を頂きながら進めてまいります.

広報委員会の主な活動内容は,ニューズレターの発行とWebページによる情報発信です.学会ホームページは2020年07月にリニューアルし,現代的なデザインのページとなりました.今後はWebを中心にタイムリーに情報を届けていく予定にしています.なお,学会ホームページの更新情報は,JSETのFacebookやTwitterで受け取ることができます.学会ホームページ右上の各アイコンから登録可能です.どうぞご利用下さい.

顕彰委員会および選挙管理委員会の活動も会員の皆様には見えにくいものですが,委員会メンバーのご尽力により,スケジュールどおりに着実に進められています. 総務・広報担当として,法人化への道のりをふり返り,学会運営を支える委員会活動を紹介させて頂きました.今後も,法人として活力があり,そして安定した運営がなされるよう,前向きに様々な改革をしていく所存です.引き続き,皆様の積極的な参画・ご協力をどうぞよろしくお願いいたします.