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【特集記事】国際委員会の取り組みについて
国際委員会委員長 望月俊男(早稲田大学)
「国際委員会」(以前は国際交流委員会という名称でした)とは、いったい何をしている委員会なのだろう?と思われる方は多いのではないでしょうか。私自身も、昨年春に委員長を拝命するまでは、まさにその一人でした。「海外との交流なんて自分には関係ない」「英語も苦手だし……」と思われる方もいらっしゃるかもしれません(私も若い頃はそうでした)。しかし近年では、学問領域の国際化が進み、海外の研究論文を参照せずに研究を進めることが難しい場面も増えています。より広い観点でみれば、日本の教育工学の成果を国際的に発信し、世界の教育工学の発展に貢献するということは、わが国のプレゼンスを高める上でも重要です。まずは友人関係からでも、国際的なつながりを持つことはとても大切になってきていると思います。
国際委員会はもともと、海外学協会との組織間交流を目的とした委員会でした。しかし山内会長の方針により、今期は特に、会員同士の実質的な国際交流を推進することを重視して活動しています。
そこで、これまでの海外学協会との交流事業に加えて、以下のような取り組みを行いました。
(1) シンポジウムの開催
2025年秋季全国大会において、「新たな価値を創造する研究の国際化:はじめての国際会議から継続的な国際共同研究まで」というシンポジウムを開催しました。この企画は、2024年度から構想されていたものです。初めての国際会議発表から、国際共同研究をどのように始め、発展させていくかまで幅広く扱う、大変充実した内容となりました。関係の先生方には多大なるご協力をいただきましたこと、心より御礼申し上げます。
(2) 英語プレゼンテーションチュートリアルセッションの開催
同じく2025年秋季全国大会では、国際委員会メンバーの発案で、「国際会議デビューを成功させる英語プレゼンテーション101~AECT国際会議で発表してみませんか?~」というチュートリアルセッションを開催しました。短時間ではありましたが、英語プレゼンテーションにおける重要なポイントを学んでいただく機会となり、87名の方にご参加いただきました。
このような企画に加え、海外学協会との交流事業を会員レベルで行えるよう、各学協会と連携して取り組んでおります。本学会は現在、以下の3つの海外学協会と連携協定を結んでいます。
AECT (Association for Educational Communications & Technology)は、アメリカを代表する教育工学系学会であり、『Educational Technology Research and Development』などの学術誌を刊行しています。本学会とは協定を結んでおり、2025年春にはオンラインで「AECT-JSET Meet & Greet」という交流イベントを開催しました。また秋に行われるAECT Convention(2026年はシカゴ開催)では、JSET Sessionも実施しています。一般のJSET会員の皆さまにもぜひご参加いただければ幸いです。
CAET(China Association for Educational Technology)は、中国の教育工学協会で、日本教育工学協会(JAET)に近い組織です。2年に1回、日中教育工学フォーラムを互いの国で交互に開催することになっており、2025年にはコロナ禍を経て8年ぶりに第8回フォーラムを日本で開催する予定でした。残念ながら現下の情勢により中止を余儀なくされましたが、次回の機会には会員同士の相互研究交流を実現できればと考えております。
KSET(The Korea Society for Educational Technology)は、韓国教育工学会です。コロナ禍で交流が滞っていましたが、2025年にKSETから学術大会における学生発表等の招待を受け、JSET会員2名が発表しました。そして、2026年のJSET春季全国大会では、JSETからKSET側へ発表招待を行い、その結果、International Sessionで合計15件の発表を申し込んでいただきました。JSET会員の皆さまには、ぜひInternational Sessionにご参加いただき、質疑応答を通じた交流を深めていただければ幸いです。
協定を結んでいるのは現在これら3つの海外学協会ですが、将来的にはヨーロッパや東アジア諸国との交流もさらに進んでいくのではないかと期待されます。
会員の皆さまの個人的な交流を起点として、国際的なつながりをより活性化できる施策を進めていきたいと考えております。ぜひ会員の皆さまには国際委員会をご活用いただくとともに、お力添えを賜れますと大変ありがたく存じます。
どうぞよろしくお願いいたします。