【特集記事】総務委員会の役割と最近の取り組み

総務委員会委員長
寺嶋 浩介(大阪教育大学)

 学会の総務委員会がどのような役割を担っているか、ご存じない方も多いのではないでしょうか。実を言えば、私自身も担当理事になる前は、8年間別の委員会を担当していたものの、その具体的な役割をよく理解していませんでした。総務委員会は、会員の皆様と直接関わる機会は多くありませんが、学会を裏方から支える委員会です。

 主な活動としては、およそ2か月に1度の理事会、年2回の全国大会時に開催される全体会、そして3月に行われる代議員総会など、学会運営の要である会長・副会長を支援しています。また、例えば全国大会や研究会などで複数の委員会に関わる課題についても、総務委員会で協議・調整を行うことがあります。現在は、各種委員会がより効率的に運営できるよう、仕組みの整備にも取り組んでいます。

 最近の活動の中で、会員の皆様にも関係の深い取り組みのひとつが、過去のJSET論文のJ-STAGEでの公開です。現在は、採録後すぐにJ-STAGEに掲載されますが、かつて採録されたもので公開されていない論文が数多く残っていました。姫野前総務委員長からこの作業を引き継ぎ、時間はかかりましたが、すべての論文を公開することができました。スキャンデータのOCR変換に伴う誤りなどを確認しながら、順次公開を進めました。完全に修正しきれなかった部分もありますが、どうかご容赦ください。

 公開作業の中で、当時の論文タイトルや要旨を目にすると、CAI(Computer Assisted Instruction)に関する研究が多く見られ、これが現在のGIGAスクール構想や教育データ活用へとつながっていることを実感しました。また、近年注目されている情報活用能力の育成についても、過去の研究からその萌芽を読み取ることができます。

 総務委員会は、会員の皆様と直接お会いする機会は少ないものの、皆様がより充実した研究活動を進められるよう、これからも学会運営の基盤づくりに努めてまいります。