9月19日(土)13:30〜15:30 会場:安田講堂
コーディネータ兼司会 | 野中陽一(横浜国立大学),東原義訓(信州大学) |
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登壇者 | 黒上晴夫(関西大学),中沢淳一, 永野和男(聖心女子大学),藤森裕治(信州大学) |
学習指導要領の改訂に合わせ,これまでの「情報教育に関する手引」が「教育の情報化に関する 手引」となって平成21年3月に公表された。新学習指導要領及びその解説の記述において,教科指導におけるICT活用や情報教育,情報モラルの育成など,教育の情報化に関わる内容について一層の充実が図られていることは,「教育の情報化」の各要素が「教育の質の向上」において重要な位置付けにあることを示している。本シンポジウムでは,この「学習指導要領における教育の情報化」を踏まえた上で,諸外国と比較して,普及がなかなか進まない我が国の「教育の情報化」のために,教育工学は何をすべきか,何ができるのか,異なる立場のパネリストと参加者によって議論を深めたい。
9月19日(土)13:30〜15:30 会場:213
コーディネータ | 柏原昭博(電気通信大学),平嶋宗(広島大学), 室田真男(東京工業大学) |
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司会 | 平嶋宗(広島大学),室田真男(東京工業大学) |
登壇者 | 大谷 尚(名古屋大学),緒方広明(徳島大学), 久保田賢一(関西大学),向後千春(早稲田大学) |
ICTを利用した教育・学習システム研究は,教育・学習という同一の現象を対象とはしているものの,そのアプローチやゴール設定は多様である。従って,それらの成果を広く共有することは必ずしも簡単ではなかった。例えば,主眼点が教育的実践である場合,技術的な新規性や有効性である場合,心理学的な妥当性や検証である場合では,研究の目標設定と評価法は異なっており,立場を超えた成果の活用は十分には行われていない。それぞれの立場からの研究がある程度成熟をむかえた今日,それらの研究成果を融合してゆく役割を教育工学が求められ始めている。本シンポジウムでは,このような研究の「モザイク」から「つるぼ」への一つの端緒となることを目指して,教育・学習システム研究のいくつかの立場から,ゴール設定とその評価法について議論を深めたい。
9月20日(日)14:45〜17:30 会場:安田講堂
コーディネータ兼司会 | 中原淳(東京大学) |
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登壇者 | 木原俊行(大阪教育大学),佐藤浩章(愛媛大学), 堀田龍也(玉川大学),松下佳代(京都大学) |
コメンテーター | 長岡 健(産業能率大学),松尾 睦(神戸大学) |
教育工学研究は、教育現場の変革(改善)に資することをめざす「実践志向」の学問である。「実践志向」の意味するところは様々な解釈が可能であるが、避けて通れない問題のいくつかに、サスティナビリティ(sustainability:持続可能性)とスケーラビリティ(scalability:普及性)の問題がある。
サスティナビリティとは、ある現場で試みられた変革が、外部からの介入をなくしても、自律的に維持されうることをさす。対して、スケーラビリティとは、ある現場で実施された変革が、他の現場に普及することである。
近年、学習研究においては、サスティナビリティやスケーラビリティが問題になっている。研究者と実践者が共同して、あるいは研究者個人が、ある実践を試行した後、その実践はどのように維持され、継承されていくのか。そして、それが、ある特定の場所での試みを超えて、他の教育現場にどのように普及・伝播していくのか。これらの問いに対するモデルなき模索がはじまっている。
教育工学が「実践志向の学」であることを標榜するならば、これらの問題にいかに向き合うべきなのか。サスティナビリティやスケーラビリティを向上させようとするとき、
1)研究者と実践者の関係はいかに「ある」のか
2)研究者は何をデザインし、何を評価するのか
3)研究のアウトカムはどのような表象を用い、「誰」を「宛先」に発信されるものなのか
4)研究者が「研究以外」に引き受けなければならないことは何か
5)上記のようなプロセスの中で、研究者はいかなるアポリアを背負うことになるのか。
本シンポジウムでは、初等中等教育、高等教育から各2つずつ実践的研究事例を報告していただきつつ、これらの問いを、会場の参加者をまじえて議論したい。
なお、本シンポジウムでは、会場の参加者間、会場と発表者間のやりとりを、よりインタラクティブにするため、いくつかのテクノロジーを活用する。