課題研究

○印は発表者,◎印は研究奨励賞対象の発表者です

課題研究1

新しい技術・メディアを活用した教育支援システム:未来の学習環境のデザインとチャレンジ

9月21日(月)14:00〜16:30   会場:241
コーディネータ: 緒方 広明(徳島大学),竹中 真希子(大分大学)
司会者:緒方 広明(徳島大学),竹中 真希子(大分大学)

 テクノロジの進歩は,人の学びを支援する多様なツールを提供し,新たな可能性を生み出す。モバイルメディア,センサネットワーク,RFIDタグなどを活用した教育支援の試みはさまざまな方法で数多く試みられている。これまでに,フォーマル・インフォーマルエデュケーションのいずれの領域においても,その有効性や利用可能性が追求されてきており,すでに発展的段階に突入している。また、昨今では,Web2.0の技術やライフログをプラットフォームとした学習支援も,注目されている。さらに,ロボットやエージェントの教育分野での活用にも,関心が集まってきている。本セッションでは,このような,未来の学習環境デザインを見据えた,教育を支援する新しい技術やメディアの活用に関係する提案・開発・実践研究を幅広く募集する。

  • K1-241-01
    携帯電話とGPSロガーを活用した草花DB付き草花同定・観察マップ作成支援システムの開発と評価
    ○宮田 仁, 石上 三雄(滋賀大学), 三宮 真智子(大阪大学), 松下 絵里加(京都市立藤森中学校)
  • K1-241-02
    無線デジタルペンが可能にする新しい授業のかたち
    ◎三浦 元喜(九州工業大学), 杉原 太郎(北陸先端科学技術大学院大学), 阪本 康之(筑波大学附属坂戸高等学校), 三浦 匠(弘前大学教育学部附属小学校), 國藤 進(北陸先端科学技術大学院大学)
  • K1-241-03
    マルチタッチテクノロジーの教育利用
    ○永野 直(鳴門教育大学), 栗原 一貴(産業技術総合研究所), 藤村 裕一, 林 秀彦(鳴門教育大学)
  • K1-241-04
    動物園での多様な学習プロセスを支援するGPS付携帯電話システムの活用
    ○鈴木 真理子(滋賀大学), 鳩野 逸生, 荻野 哲男(神戸大学), 楠 房子(多摩美術大学), 坂本 英房(京都市動物園), 井福 克也(滋賀大学)
  • K1-241-05
    高精細映像を用いた「超鏡」による遠隔学習環境
    ◎中澤 明子, 奥林 泰一郎, 森 秀樹, 上田 明久, 前迫 孝憲(大阪大学), 中尾 正博, 佐藤 哲夫, 高山 慎一郎(宇宙航空研究開発機構), 川杉 照雄, 橋本 剛正(宇宙技術開発), 森川 治(産業技術総合研究所)
  • K1-241-06
    乳児ロボットを活用した高校家庭総合における子育て体験学習活動の設計と試行
    ◎野村 泰朗(埼玉大学), 山城 由美香(ぎょうせい)

課題研究2

協調学習を支援するシステム・実践のデザイン

9月21日(月)14:00〜16:30   会場:221
コーディネータ: 大島 純(静岡大学),加藤 浩(放送大学)
司会者:加藤 浩(放送大学),舟生 日出男(広島大学)

 協調学習支援システムがいくつもの研究グループによって開発・活用されている。また,既存の電子掲示板やSNSなどのシステムを活用した実践も多数行われている。しかし,各グループの活動は個別的である。本課題研究では,システムを開発,あるいは教育実践の中で活用している研究グループから,立脚する学習観・教育観や,理想とする学習コミュニティ,そのような理想へと学習者を方向付けるための手だて(支援機能や足場掛けなど),評価方法,PDCAのサイクルなどについて多様な報告を募集する。そして,各システムや実践の特徴や利点・欠点を明らかにすることを求め,機能的要件や実現方法,実践のデザイン原則に関する知見として昇華させることを目指す。これらの成果を踏まえて,グループ間の連携や,各システムの接続性などを模索したい。

  • K2-221-01
    幼児のNarrative Skill習得を促す親の語りの引き出し方の向上を支援するシステムの開発
    ◎佐藤 朝美(東京大学)
  • K2-221-02
    SNSを活用した日本語教員育成のための学習環境デザイン
    ○中俣 尚己, 村上 正行, 中西 久実子, 由井 紀久子(京都外国語大学)
  • K2-221-03
    他者の思考プロセスの活用を促進するリフレクション支援ソフトウェアの開発と評価
    ○出口 明子(宇都宮大学), 稲垣 成哲(神戸大学), 舟生 日出男(広島大学), 山口 悦司(宮崎大学)
  • K2-221-04
    Webと携帯電話を利用した高等教育におけるプロジェクト学習支援システムのデザイン
     ― ProBo・PBP・PBMの開発・評価と課題の整理 ―

    ○八重樫 文(立命館大学), 望月 俊男(専修大学), 西森 年寿(東京大学), 加藤 浩(放送大学), 舟生 日出男(広島大学), 常松 晃(スパイスワークス)
  • K2-221-05
    プロジェクト学習におけるメタ認知促進を目指した 足場掛けのデザイン
    ◎湯浅 且敏, 大島 律子, 大島 純, 榊原 涼太, 上田 芳伸, 村田 大輔(静岡大学)
  • K2-221-06
    アンカードコメント機能がアカデミックライティングにおける協同推敲に及ぼす効果
    ○舘野 泰一(東京大学), 大浦 弘樹(ワシントン大学), 望月 俊男(専修大学), 西森 年寿, 中原 淳, 山内 祐平(東京大学)

課題研究3

ゲーム・シミュレーションを利用した教育:現状とこれから

9月21日(月)14:00〜16:30   会場:233
コーディネータ: 栗山 健(学習研究社),清水 悦幸(内田洋行),山田 政寛(金沢大学)
司会者:山田 政寛(金沢大学)

 世界的に教育にゲームを利用する実践や研究が徐々に増えてきている。教育工学系の国際会議を運営している組織の1つでもあるAssociation for the Advancement of Computing in Education (AACE)でも,教育ゲームの設計手法や新たな情報技術を使用した教育ゲーム開発等の研究,また教育現場に幼児向け教育ゲームやシリアスゲームなどを導入した実践など幅広い研究・実践報告がされており注目されている。日本でも携帯型ゲーム機を教育現場に導入するといった実践や教育向けゲームの開発も活発になってきており,これから注視していくべき教育工学の分野と言える。本セッションでは教育ゲームの設計・開発から,学習効果の測定,教育現場におけるゲーム・シミュレーション利用と言った実践研究まで,教育とゲーム・シミュレーションに関する研究を幅広く募集する。

  • K3-233-01
    実世界Edutainmentとその実践
    ○光原 弘幸, 金西 計英, 矢野 米雄(徳島大学)
  • K3-233-02
    歴史的分析力を現代の問題に応用する力を育成するカードゲーム教材のデザイン
    ○池尻 良平(東京大学)
  • K3-233-03
    歴史探究学習プログラムにおける物語型教授エージェントを介した学習支援方法の研究
     −デジタルゲーム設計手法とオンライン学習環境設計の接点−

    ◎藤本 徹, SMITH Brian(ペンシルバニア州立大学)
  • K3-233-04
    情意的領域の発達を促進するゲーム/ゲーミングの教育利用
     高等学校における「技術者モラル」教育の授業実践を通して

    ○遠藤 信一(東京工業大学附属科学技術高等学校), 松田 稔樹(東京工業大学)

課題研究4

授業研究と教師の力量形成

9月21日(月)14:00〜16:30   会場:223
コーディネータ: 柴田 好章(名古屋大学),田中 博之(早稲田大学),南部 昌敏(上越教育大学)
司会者:田中 博之(早稲田大学),南部 昌敏(上越教育大学)

 今日,社会から学校への信頼の揺らぎや,教員の大量退職と新任教員増加等が進行し,教師の力量形成が特に重要な課題になっている。教師に求められる力量も,教材開発・授業デザイン,発問等の教授スキル,適切な意思決定や評価等,以前から重視されてきたものに加え,問題解決等の教科横断的な能力を育成する力,情報メディアを活用した授業を展開する力,子どもの様々な問題に気づき対応する力,学校外の人々と連携する力,教育の成果を事実と論理に基づき説明する力等,拡大してきている。本課題研究では,力量形成における授業研究の可能性と課題を明らかにし,今後の指針を見出したい。力量形成のための授業研究の事例,力量の評価法,研修方法の提案やツール開発,教職実践演習や免許状更新講習の実践研究等,効果的で魅力的な研究を幅広く募集する。

  • K4-223-01
    計画と実施結果の差異に着目した授業リフレクションによる黒板利用型授業の計画改変とその効果の分析
    ◎今野 文子(東北大学), 菅野 裕佳(通研電気工業), 大河 雄一, 三石 大(東北大学)
  • K4-223-02
    実践知形成のための教員養成カリキュラム「授業研究論」の開発
     熟考と省察を通じて形成する実践知モデルを基盤として

    ○澤本 和子(日本女子大学)
  • K4-223-03
    子どもの発言を手がかりとした授業研究の検討 
     −授業研究のツール開発のための調査−

    ◎坂本 將暢, 柴田 好章, 大谷 尚, 的場 正美(名古屋大学)
  • K4-223-04
    授業研究会に対する教師の主観的評価と規定因
    ◎細見 隆昭(兵庫教育大学)
  • K4-223-05
    ワークショップ型教員研修の開発手法の体系化のための研修マネジメント・モデル
    ○村川 雅弘(鳴門教育大学), 田村 知子(中村学園大学)

課題研究5

学校のICT化を推進する人的環境

9月21日(月)14:00〜16:30   会場:242
コーディネータ: 中川 一史(放送大学),野中 陽一(横浜国立大学)
司会者:中川 一史(放送大学),野中 陽一(横浜国立大学)

 教育の情報化に関する手引において,教育委員会・学校における情報化の推進体制が示され,教育の情報化を推進するための人的環境の重要性が指摘された。本課題研究においては,人的環境とその体制,役割等を含め,教育委員会・教育センターや学校,大学等の支援の在り方等に関する研究及び優れた事例を紹介いただき,それらの比較検討を通して,ポイントを協議したい。情報化の統括責任者としての教育CIO,CIO補佐官の機能や役割,学校CIOとしての管理職の機能と校内の推進体制,学校における情報担当リーダーの役割,教員をサポートするICT支援員の学校での活用や教育委員会・教育センターの体制整備の在り方等,多様な視点からの発表を期待する。

  • K5-242-01
    教育の情報化における日野市の戦略とICT活用教育推進室の役割
    ○五十嵐 俊子(日野市立平山小学校), 田口 克敏, 浮須 勇人(日野市教育委員会), 東原 義訓(信州大学)
  • K5-242-02
    人的環境の整備による学校ICT化へのアプローチ
    ○垣内 浩(西宮市教育委員会)
  • K5-242-03
    ICT活用による授業改善を支えるサポート体制のあり方
    ○樋口 順子, 牛山 大輔, 横沼 幹生(NTT東日本長野支店), 力 尚宏(長野市教育委員会)
  • K5-242-04
    政令指定都市における大規模ICT環境整備と人的環境のあり方
    松崎 太亮(神戸市教育委員会), ○平井 尊士(兵庫大学)
  • K5-242-05
    米国における教育CIOに関する調査
    ○ゼオースキ スペンス, 前迫 孝憲(大阪大学)

課題研究6

eポートフォリオ−初等教育から高等教育まで−

9月21日(月)14:00〜16:30   会場:243
コーディネータ: 小川 賀代(日本女子大学),永田 智子(兵庫教育大学)
司会者:永田 智子(兵庫教育大学)

 2008年4月に中央教育審議会で出された「教育振興基本計画」では,初等・中等・高等教育にわたって質の保証・向上が掲げられている。このような状況の中,学習成果の評価として,学びの履歴を蓄積し,形成過程を可視化できると言われているポートフォリオが注目を集めている。また,eラーニングの普及に伴い,ICTを活用した教育・学習が日常化し,より効果的な活用が求められる中,eポートフォリオの導入が進んでおり,学習評価だけでなく,FDやキャリア支援などにも活用範囲を広げている。そこで,今回初めて課題研究としてeポートフォリオを取り上げ,多様な視点からの情報交換を行うことにした。本課題研究では,初等教育から高等教育を対象としたeポートフォリオのシステム開発,実践,評価研究ならびにレビュー研究など幅広い応募を期待する。

  • K6-243-01
    共有・再利用によるeポートフォリオの有効活用を支援するeポートフォリオ・マネジメント・システムの提案
    ○森本 康彦(東京学芸大学), 喜久川 功(富士常葉大学), 植野 真臣(電気通信大学), 横山 節雄, 宮寺 庸造(東京学芸大学)
  • K6-243-02
    教職大学院用eポートフォリオ・システムの開発と活用状況の評価
    ○森山 潤, 永田 智子(兵庫教育大学)
  • K6-243-03
    学生の授業アシスタントを支援するWebノート開発と活用
    ○加藤 隆弘, 松能 誠仁, 松原 道男(金沢大学)
  • K6-243-04
    教育実習Webポートフォリオにみるリフレクションの特質
     テキストマイニング手法による教科間の違いの分析

    ◎谷塚 光典, 東原 義訓(信州大学)
  • K6-243-05
    ロールモデル型eポートフォリオを活用したキャリア支援システム
    ◎小川 賀代, 黒田 綾香(日本女子大学)

課題研究7

新学習指導要領における情報教育とICT活用

9月21日(月)14:00〜16:30   会場:244
コーディネータ: 小泉 力一(尚美学園大学),高橋 純(富山大学)
司会者:小泉 力一(尚美学園大学),高橋 純(富山大学)

 告示された新学習指導要領では総則において情報教育の重要性が謳われており,各教科の指導において児童生徒の情報活用能力を育成することが記されている。また,教員が授業でICTを有効に活用して「わかる授業」を実践することについても示されている。本学会ではこれまで教育におけるICT利用に関して様々な研究や実践報告がされてきたが,学習指導要領が改訂されたことを機に,初等中等教育における情報教育及び教員のICT活用実践について,今までの研究結果と実践報告を踏まえて改めて議論する必要があると考える。本課題研究では,高校「情報」,中学校「技術・家庭」,「総合的な学習の時間」などに限らず様々な教科での情報教育,そして教員の授業におけるICT活用など,教育工学が関わるべき分野についての実践や研究の成果を期待したい。

  • K7-244-01
    教員のICT活用指導力のチェックリストを用いた新学習指導要領の記述の分類
    ○高橋 純(富山大学), 堀田 龍也(玉川大学), 南部 昌敏(上越教育大学)
  • K7-244-02
    技術・家庭科の「ものづくり」でのICT活用場面について
    ○山口 光夫(真岡市立真岡中学校)
  • K7-244-03
    情報科の現状と新学習指導要領における課題
    ○小泉 力一(尚美学園大学)
  • K7-244-04
    ICTを活用した授業における教師の授業方略の分析
    ○寺嶋 浩介(長崎大学), 中川 一史(放送大学)

課題研究8

高等教育・FDにおける教育工学の役割

9月21日(月)14:00〜16:30   会場:246
コーディネータ: 石川 真(上越教育大学),森田 裕介(早稲田大学)
司会者:村上 正行(京都外国語大学),森田 裕介(早稻田大学)

 2008年度からファカルティ・デベロップメント(FD)が義務化され,大学における授業改善の取り組みが数多く行われるようになってきた。国際的な高等教育の質保証に関する議論も進展しており,今後,高等教育分野やFDにおける教育工学の役割は,さらに重要になってくると考えられる。また,この数年,高等教育やFDに関する研究報告も増加しており,教育工学の立場から十分な議論が求められる時期にきていると考えられる。そこで,本課題研究では,高等教育やFDの現状について把握するとともに,実践的な取り組みについて研究発表を行う。そして,高等教育の質保証を鑑み,高等教育やFDに対して教育工学は何ができるのか,何をすべきか議論する。

  • K8-246-01
    大学の自己評価としてのFDと教育工学の役割に関する一考察 
    ○中山 実(東京工業大学)
  • K8-246-02
    大学の制度設計と空間設計に着目したFD
    ○美馬 のゆり(公立はこだて未来大学)
  • K8-246-03
    学生と協働した組織的な授業支援の拡張
    ◎岩崎 千晶(京都外国語大学), 遠海 友紀, 長瀬 勇輝, 水越 敏行(関西大学)
  • K8-246-04
    eラーニングを用いたICT活用教育のためのFDプログラム
     〜ブレンディッド・ラーニングによる効果〜

    ○松本 喜以子, 新垣 円, 佐藤 万知, 高橋 典史(青山学院大学)
  • K8-246-05
    FDネットワーク構築の意義と課題
     −関西地区におけるFD実態調査をもとに−

    ◎田口 真奈(京都大学)
  • K8-246-06
    若手FD研究者ネットワークの活動から見たFD研究における教育工学の役割
    ○村上 正行(京都外国語大学), 杉原 真晃(山形大学), 半澤 礼之, 田口 真奈(京都大学)