課題研究

○印は研究奨励賞の対象者です

課題研究1

つながりメディアの教育利用-モバイル,ユビキタス,ロボットアバタ,SNS等-

10月13日(月)13:30〜16:00   会場:B302
コーディネータ: 緒方 広明(徳島大学),中原 淳(東京大学),高井 尚一郎(内田洋行)
司会者:緒方 広明(徳島大学),中原 淳(東京大学)

 近年,場所や空間を超えて,人々を結ぶ様々な「つながりメディア」の教育利用が進んでいる.例えば,モバイル端末を用いて,親子や友達をつないで学習を支援するシステムやコミュニーションロボットを用いて教室同士をつなぐといった,新しい「つながりメディア」を用いた教育支援の試みが数多くされてきている.
 また,センサネットワークやRFIDタグなどを用いて学習者同士をつなぐ,ユビキタス学習環境についても,実用化の段階に進んできている.さらに,最近では,Web2.0の技術やSNSなどのSocial Computing技術をe-Learningに取り入れた「e-Learning2.0」という新しい概念も登場してきている.
 本セッションでは,このような「つながりメディア」の教育利用に関係する研究発表を幅広く募集する.また,教育利用を前提とした新しいメディア技術の提案・開発に関する研究発表も歓迎する.

  • K1-B302-01
    SNSを用いた知識アウェアネスユビキタス協調学習システム
    殷 成久, 田畑 義之(九州大学), 緒方 広明(徳島大学)
  • K1-B302-02
    実世界オブジェクトと映像のリンクによる体験の共有と比較
    三角 徹, 緒方 広明, 松家 好希, 矢野 米雄(徳島大学)
  • K1-B302-03
    幼児のNarrative Skill習得を促す学習環境:
     親の語りの引出しの向上を支援するシステムの開発

    ○佐藤 朝美(東京大学)
  • K1-B302-04
    Folkshelf: 携帯電話を用いたfolksonomy読書支援SNSシステムの設計と開発
    ○久松 慎一(東京大学)
  • K1-B302-05
    全学SNS とそのViewer を活用した体験学習の実践
    佐藤 慎一, 影戸 誠(日本福祉大学)
  • K1-B302-06
    「つながりメディア」としての学術コミュニティ
     日本教育工学会における研究キーワードの関係構造の分析

    北村 智(東京大学)

課題研究2

教育工学分野における新しい技術を活用したシステム開発の展開

10月13日(月)13:30〜16:00   会場:A205
コーディネータ: 金西 計英(徳島大学),林 敏浩(香川大学),室田 真男(東京工業大学)
司会者:林 敏浩(香川大学)

 学習状態の適切な診断は,教育システム開発の大きな目標の一つである.最近,大量情報からの知識発見や脳科学等の分野で多くの成果が蓄積されている.そうした成果の教育工学分野への応用,学習者の把握への応用に注目が集まっている.例えば,e-Learningシステムがコンテンツ管理を主とするLMSから,ユーザの様々な情報を収集するe-Portfolioへと変化するにつれ,大量のユーザ情報を積極的に活用しようとする流れが生まれている.
 本課題研究では,学習履歴のマイニング,メタオブジェクトを用いた学習履歴の共有,生体情報や感性情報を用いた学習履歴の分析等,学習状態を適切に診断するための新しい技術を活用した教育システム開発の発表を募集する.研究者の間で知見を共有し,教育工学的なシステム開発研究のあり方やその評価手法について,議論が深まることを期待する.新しい技術を用いた教育システムを開発されている研究者の積極的な発表を期待する.

  • K2-A205-01
    相関ルールを用いた誤答パターンの分析
    松河 秀哉(大阪大学), 北村 智, 山内 祐平(東京大学), 中野 真依, 金森 保智, 宮下 直子(ベネッセコーポレーション)
  • K2-A205-02
    ディジタル学習行動ログ分析による学習者評価と授業評価の提案
    櫻井 良樹(NECラーニング社), 細野 繁(日本電気), 斉藤 晃(NEC情報システムズ)
  • K2-A205-03
    eテスティングにおける得点・所要時間予測ツールの開発
    ソンムァン ポクポン, 植野 真臣(電気通信大学)
  • K2-A205-04
    音声に重点を置いた英語学習支援システムの開発と発音評価
    駒木 亮, 山田 玲子(ATR Learning Technology)
  • K2-A205-05
    「知の総合化ノート」活用による「実践・知のスミソニアン」の構築
    村川 雅弘, 藤原 伸彦(鳴門教育大学)

課題研究3

ICTを活用した教育システムをどのように評価するのか

10月13日(月)13:30〜16:00   会場:A113
コーディネータ: 久保田 賢一(関西大学),向後 千春(早稲田大学),栗山 健(学習研究社),平嶋 宗(広島大学)
司会者:平嶋 宗(広島大学)

 ICTの教育・学習への活用が急速に進んできた.それに伴い教育工学の文脈において,ICTを活用した効果的な教育・学習のあり方に関する研究が盛んに行われるようになった.これらの研究は,教育・学習という現象を対象としているが,ソフトやハードを開発した技術者とその技術を教室で活用する教師の立場では,「ICTを活用した教育システム」の評価には大きな違いがあることも明らかになった.教育工学の領域では,企業,技術者,教師,指導主事などさまざまな領域の人たちが,教育・学習に何らかの形で関わり,研究が行われている.しかし,領域の違う人たちの間のコミュニケーションが十分にとれているとはいえず,各領域での評価が他の領域のなかで十分に生かされていないのが現状である.技術の側と教育を実践する側にとって有益な評価とはどのようなものか.あるいはどのようなコミュニケーションを両者の間で持つことが必要なのか.教育実践,心理学,技術開発,ビジネスなどの観点から幅広い視点で議論し,「望ましい評価のあり方」についての理解を深めたい.

  • K3-A113-01
    学習モデルを実現するシステムの評価
    柏原 昭博(電気通信大学)
  • K3-A113-02
    ICTを活用した教育システムをどのように評価するか
    向後 千春(早稲田大学)
  • K3-A113-03
    知識生産の新しい様式とその実践
     活動理論から見た「多言語NOTA」の開発と評価

    久保田 賢一, 鎌田 高徳, 岸 磨貴子, 今野 貴之(関西大学)
  • K3-A113-04
    ICTを活用した双方向参加型授業支援システムの評価に関する一考察
     携帯電話対応コメントカードシステム(CCS),PSP版CCS,RFID内蔵Polling Pad

    宮田 仁(滋賀大学), 三宮 真智子(鳴門教育大学)
  • K3-A113-05
    eラーニングシステムの利用者拡大と機関導入促進に関する考察
     授業支援型e-LearningシステムCEASを事例として

    冬木 正彦, 植木 泰博(関西大学)
  • K3-A113-06
    FDとしての教材開発と形成的評価
    湯浅 且敏, 大島 律子, 大島 純(静岡大学), 石山 拓, 宮浦 智範(日立IA), 村田 大輔, 榊原 涼太(静岡大学)

課題研究4

初等中等教育におけるICT活用のデザイン・実践・評価

10月13日(月)13:30〜16:00   会場:A206
コーディネータ: 高橋 純(富山大学),森田 裕介(早稲田大学)
司会者:高橋 純(富山大学),森田 裕介(早稲田大学)

 「教育の情報化」に関する政策が進められ,ICTを活用したわかる授業の実現や学力向上が求められてきている.そこで,本課題研究では,テーマを本年の論文誌特集号とも連携させつつ,初等中等教育での学習指導におけるICT活用のデザインと実践,その評価等についての議論を行いたい.具体的には,わかる授業や学力向上を目指したICT活用の授業モデル,教員のICT活用指導力の向上を図る教員養成カリキュラムや現職教育プログラムの開発研究等を扱う.また,特に今日,初等中等教育における児童・生徒の学力向上を期したICT活用が政策的に推進されており,本学会としてこの分野の知見を整理することが求められていることから,初等中等教育における学力向上とICT活用に関わる研究についても発表されることを期待したい.

  • K4-A206-01
    DSを用いた小中高等学校における授業デザインと学習効果
    赤堀 侃司(東京工業大学), 渡邉 修(首都大学東京), 池田 真(上智大学), 毛利 靖(つくば市二の宮小学校), 戸枝 祐之(NPOパソコンキッズ)
  • K4-A206-02
    一斉授業の授業過程における教員のICT活用の多様性
    堀田 龍也(メディア教育開発センター), 高橋 純(富山大学)
  • K4-A206-03
    ICTを活用した日本-タイ間の遠隔学習における特徴
     多様な遠隔学習への「超鏡」の適用を目指して

    ○中澤 明子(大阪大学), 今井 亜湖(岐阜大学), 吉本 優子(帝塚山学院大学), 奥林 泰一郎(大阪大学), 重田 勝介(東京大学), ゼオースキ スペンス, 前迫 孝憲(大阪大学), 藤倉 純子(女子栄養大学), 池田 裕美(日本大学), 武藤 志真子(女子栄養大学), 森川 治(産業技術総合研究所)
  • K4-A206-04
    教員のICT活用指導力育成のためのe-Learning研修システムの有効性の検討
    ○田島 祥(お茶の水女子大学), 山内 豊(東京国際大学), 南部 昌敏(上越教育大学), 影戸 誠(日本福祉大学), 齋藤 俊明(藤岡市教育委員会), 高橋 伸明(岡山県総合教育センター), 上市 善章(千葉県総合教育センター), 本多 博(長崎県教育センター), 吉川 孝昭(栃木県総合教育センター), 中村 雄一(町田市立町田第六小学校), 益子 典文(岐阜大学), 吉村 和郎, 森本 泰弘(日本教育工学振興会)
  • K4-A206-05
    小中学校における大型提示装置の普及を目指したICT機器導入パターンの活用実践とその効果に関する分析
    ○佐藤 弘毅(名古屋大学), 井口 磯夫(十文字学園女子大学), 堀田 博史(園田学園女子大学), 藤谷 哲(目白大学), 下川 雅人(日本視聴覚教育協会), 佐藤 喜信, 梅香家 絢子(内田洋行)

課題研究5

情報教育研究・実践の方向性-教育課程の改訂を受けて-

10月13日(月)13:30〜16:00   会場:A207
コーディネータ: 小泉 力一(尚美学園大学),中橋 雄(武蔵大学),野澤 敏夫(東京書籍)
司会者:小泉 力一(尚美学園大学),中橋 雄(武蔵大学)

 次期学習指導要領ではこれまで以上に情報教育の充実が唱えられており,小学校段階では問題解決的学習や探求活動を通して情報活用能力を身に付け,中学校段階ではこれを基礎に各教科等でICTを主体的に活用し,高校段階で進路によらず必要となる情報活用能力を身に付けるとされている.中でも,発達段階に応じた情報モラル教育は喫緊の課題と位置づけられ,社会の情報化に対応できる能力の育成がより具体的に示されている.本学会では,カリキュラム開発,学習評価,実践研究,学習環境デザイン,教材開発,教師教育など,様々なアプローチで情報教育の研究成果が報告されてきたが,これらをいま一度批判的に見直すことにより,新しい教育課程における情報教育のあり方について議論したい.本課題研究では調査データや実践結果の考察に基づき,これからの情報教育研究および情報教育実践の方向性について提案してもらいたい.

  • K5-A207-01
    携帯電話を利用した「情報モラル」指導実践について
    三田 正巳(岩手県立総合教育センター)
  • K5-A207-02
    教員の情報モラルの指導に対する自信についての考察
    -ネット上の事件を調査させる学習を中心とした授業を担当した教員を対象に-

    尾崎 廉(札幌市立平岡中学校), 長谷川 元洋(金城学院大学)
  • K5-A207-03
    情報モラル指導での家庭と小学校の連携プログラムの開発と評価
    山本 朋弘(熊本県立教育センター), 清水 康敬(メディア教育開発センター)
  • K5-A207-04
    情報的なものの見方・考え方を育成する教材の研究
    本郷 健(大妻女子大学), 斉藤 実(埼玉県立川越高等学校), 大河原 広行(神奈川県立相模大野高等学校), 須藤 崇夫, 堀口 真史(埼玉県立総合教育センター), 佐野 和夫(横浜市教育委員会)

課題研究6

新しい時代に対応する学力,それを育む授業・カリキュラム

10月13日(月)13:30〜16:00   会場:B201
コーディネータ: 新地 辰朗(宮崎大学),田口 真奈(京都大学),野中 陽一(横浜国立大学)
司会者:新地 辰朗(宮崎大学),野中 陽一(横浜国立大学)

 様々な教育課題の解決に向けて,新しい学習指導要領が示され,言語活動の重視や新しい時代に対応する学力,例えばPISA型読解力の育成が求められている.基礎的・基本的な知識・技能の確実な定着及び知識・技能を活用する力の育成を目指す上で,引き続き,ICT活用等を含めた教育方法の工夫や改善が求められる.社会の要請や児童・生徒の実態に応じた教育を実現するために,学校や教師には,効果的な授業やカリキュラムの在り方を構想し,さらに結果を見極める力量が求められている.
 本課題研究では,学力,授業,カリキュラムなどの観点から,様々な方法によって教育活動を質的に向上させようとする,教師,学校そして教育委員会による意図的・計画的な取り組みに関わる実践報告,開発されたカリキュラム,研究成果等を取り上げる.

  • K6-B201-01
    3領域ではぐくむ「人間力」
    野田 晃(新潟県上越市立大手町小学校)
  • K6-B201-02
    子どもの自己形成にはたらく授業の具体化
    広田 積芳(富山市立堀川小学校)
  • K6-B201-03
    ICT活用で深まる学校組織として取り組む授業設計
    橋澤 宏文, 西澤 康彦, 杉本 宗保(長野市立三輪小学校), 東原 義訓(信州大学)
  • K6-B201-04
    PISA型読解力を育成するためのメディア活用に関する授業研究
     メディアの記号次元に着目した授業実践

    岡部 昌樹, 村井 万寿夫(金沢星稜大学), 清水 和久(石川県教育センター), 加藤 隆弘(金沢大学), 中川 一史(メディア教育開発センター)
  • K6-B201-05
    テレビ番組とICTの連動による「探求型言語能力」の育成をめざす実践
    中山 実(東京工業大学), 木原 俊行(大阪教育大学), 高橋 純(富山大学), 武田 一則, 宇治橋 祐之(日本放送協会), 佐藤 知条(日本放送教育協会), 桑山 裕明(NHKエデュケーショナル)
  • K6-B201-06
    新しい時代に対応する学力とそれを育む授業・カリキュラムへの提案
     分析力に着目した「技術者モラル」と「世界史」の授業実践を通して

    遠藤 信一(東京工業大学附属科学技術高等学校), 松田 稔樹(東京工業大学)