顕彰委員会担当として
顕彰委員会委員長 赤倉貴子(東京理科大学)
顕彰委員会委員長を仰せつかっております,赤倉貴子(あかくらたかこ)と申します。どうぞよろしくお願いいたします.
顕彰委員会の仕事は,論文賞,研究奨励賞を選定することです.論文賞は,その前年度の学会論文誌に掲載された論文(論文,教育システム開発論文,教育実践研究論文を指し,総説,資料,寄書,ショートレターは含まない)から選びます.まず,編集委員会から10数編の論文を論文賞候補として推薦していただきます.その候補となった論文を顕彰委員会選考委員(推薦された論文の関係者以外の方から,毎年,教育実践系,心理系,システム開発系,など専門性に偏りがないよう5名の先生にお願いしております)の先生方にあらためて読んで採点していただき,その上位5~6編程度を対象として,理事,代議員,編集委員の先生方に無記名で投票していただきます.それを顕彰委員会(委員長のほか,2名の委員がおります)で開票作業を行い,その結果を理事会に報告して,理事会で承認されれば論文賞が決定です.
一方,研究奨励賞は方法が少し異なります.まず,春季全国大会及び秋季全国大会で優秀であった発表を理事,代議員の方に推薦していただきます.対象者は原則として表彰時に40歳を超えていないこととなっております.推薦された発表全てに対して,理事,代議員を対象として第一段投票を実施します.それを顕彰委員会で開票し,上位5~6編程度の発表を対象として,再び理事,代議員を対象として第二段投票を実施するのですが,このときが論文賞と大きく違うところで,第二段投票では,投票を顕彰委員会で開票するとともに,候補者に候補者の過去の日本教育工学会全国大会での発表,同研究会での発表、論文誌への掲載(これは論文だけでなく,全ての掲載形態を対象としています)等の業績を提出していただき,これを内規にしたがって顕彰委員会で点数化し,これを投票点数に加えて順位をつけます.したがって,発表が大変すばらしく,投票の得点が高くても,その大会が初めての発表であり,過去に日本教育工学会では一度も発表がなく,論文誌への掲載もない,というような場合は表彰対象となることは,ちょっと難しいと言わざるを得ません.結果を理事会に報告し,承認されれば研究奨励賞が決定するのは論文賞と同じです.
研究奨励賞がこのような仕組みで選ばれる関係上,若い大学院生の方などの表彰可能性が低くなるのは残念なことです.そこで最近になって学会発表そのものでの賞が設けられたのは大変よいことであると思っています.ただ,上述のように,研究奨励賞はそれまでの発表実績等の研究業績が加味されての賞であることをご理解いただき,みなさまには是非とも積極的に,全国大会・研究会での発表,論文誌への投稿をなさっていただきたいと思います.
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