No.293
No.293
日本教育工学会ニューズレター 2026年3月10月発行

【特集記事】広報委員会について
広報委員会委員長 松河秀哉(東北大学)

 2025年度より、広報委員会委員長を拝命いたしました。日頃より学会活動を支えてくださっている会員の皆様、そして各委員会の皆様に心より御礼申し上げます。
 広報委員会は、本学会Webサイトによる情報発信と、メールマガジン形式のニューズレター発行を主な業務としております。本学会の広報体制は、前委員長の高橋純先生のご尽力のもとPDFのニューズレター中心の広報からWebを基盤とする広報体制へと大きな転換が図られました。現在では、各委員会が直接記事を投稿できる仕組みが整い、掲載された情報はメールマガジンやSNSと連動しながら、迅速に会員の皆様へ届けられる体制が確立されています。この数年間で築かれた基盤は、学会広報のあり方を持続可能な形へと発展させた大きな成果であると感じております。
 本年度は、その基盤の安定運用を図りつつ、いくつかの重要な改善に取り組みました。その一つが、メールマガジンの送信サーバを外部サーバからJSET自身のメールサーバへと移行したことです。これまでの外部送信環境は安定的に運用されてきましたが、コスト面やセキュリティ管理の観点から、より主体的な運用体制を整えることといたしました。今回の移行により、経費の削減、セキュリティ面での管理強化、そして柔軟な運用が可能となりました。確実に、そして安全に情報を届け続ける基盤の整備と維持は、学会にとって極めて重要な責務であると考えております。
 もう一つの取り組みとして、現在、Webサイトへの自動翻訳機能の導入を進めています。教育工学は国際的な広がりをもつ学術分野であり、本学会の活動や研究成果を海外へ向けて発信する意義はますます高まっています。一方で、すべての記事を人的リソースのみで翻訳することは容易ではありません。自動翻訳機能の導入により、日本語で発信された情報を英語でも迅速に閲覧できる環境を整え、本学会の国際的な発信力の向上を図りたいと考えています。自動翻訳には限界もありますが、まずは「情報にアクセスできる状態」を広く確保することが重要であり、その上で必要に応じて充実を図っていくことが現実的な第一歩であると考えております。
 また、JSET NEWSでは、本学会の行事や各委員会の活動報告だけでなく、学会の活動テーマに合致する他学会の研究会や大学主催の研究会等の情報についても、広報委員会の判断のもとで掲載させていただいております。会員の皆様にとって有益と思われる関連情報がございましたら、ぜひ広報委員会までお知らせください。 

https://www.jset.gr.jp/contact/form2/

 広報は単なる情報掲載ではなく、学会の活動を社会にどのように伝え、どのように記録として残していくかという営みでもあります。Webに蓄積された一つ一つの記事が、本学会の歩みを形づくっていきます。広報委員会としては、安定した基盤のもとで発信力を高め、国内外に向けて本学会の活動をより分かりやすく伝えていけるよう努めてまいります。
 今後とも、会員の皆様のご理解とご協力を賜りますよう、どうぞよろしくお願い申し上げます。
【特集記事】学習評価部会(第2期)の活動報告
重点活動領域 学習評価部会 第2期代表
杉浦真由美(北海道大学)

 学習評価部会(第2期)では、「学習者中心の評価」を中心的なテーマとして掲げ、教育DXの進展や学習環境の変化を背景に、評価のあり方を理論と実践の両面から検討してきました。学習成果を測定するための評価にとどまらず、学習者の理解や探究を促し、学びそのものを支える評価とは何かを問い直すことを、本部会の共通課題として位置付けています。この2年間、部会メンバーで協働しながら、全国大会における企画セッションおよびワークショップを継続的に企画・実施してまいりました。

  2024年春季全国大会では、「学習者中心の評価」をテーマに、理論的研究の系譜や近年の動向、学習者・教員双方に求められるリテラシーについて話題提供を行い、新たな学習環境において理解度や学習の進捗をどのように捉え、フィードバックを通して改善につなげていくのかについて議論を深めました。参加者はオンラインツールを通じて議論に参加し、フィードバック・リテラシーや探究学習における評価の課題など、多様な視点が共有されました。

 同年秋季全国大会では、自律的な学習者を育成する学習評価と、その土台となる教師の「わざ」に焦点を当て、評価設計を支える実践者のスキルや教育観について検討しました。評価のシステム化と学習者の自律性との関係、教師の「観」が評価に与える影響など、参加者との対話を通して、評価の意義をあらためて問い直す場となりました。

 さらに2025年春季全国大会では、探究学習における学習者中心の評価をテーマに、初等中等教育、高等教育、企業の実践や研究の知見を交えて議論を行いました。探究を促進する評価とは何か、対話や成果物、情意的側面をどのように捉えるのかといった問いを共有し、126名の参加者とともに活発な意見交換が行われました。

 これらの大会企画に加え、2024年秋には「事例検討ワークショップカフェ」を開催し、参加者自身の評価実践をもとに省察と再設計を行う試みを実施しました。本ワークショップの成果は論文としてまとめられ、学習評価部会の活動を通じて得られた研究成果の一つとなりました。

 なお、これら2年間の活動内容につきましては、部会Webサイトにて公開しております。

https://sites.google.com/view/jset-le/HOME

 第2期の活動は終了となりますが、本部会での議論や実践が、会員の皆さまにとって「学習者中心の評価」をあらためて考えるきっかけとなれば幸いです。
行事予定
全国大会

開催日
2026年09月26日〜2026年09月27日
開催場所
札幌市教育文化会館
研究会

開催日
2026年05月23日
開催場所
崇城大学池田キャンパス(熊本市)
研究会

開催日
2026年07月11日
開催場所
神戸大学鶴甲第一キャンパス(神戸市)
研究会

開催日
2026年10月17日
開催場所
岡山大学津島キャンパス(岡山市)
研究会

開催日
2026年12月19日
開催場所
オンライン(Zoom)
開催報告
SIG:SIG-ID 第36回定例ゼミ
2026/02/20
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