SIG-AI代表 喜多敏博(熊本大学)
2018年に発足した「人工知能の教育利用(SIG-AI)」の活動について紹介いたします。
近年の人工知能(AI)技術は、様々な分野で適用されつつありますが、教育分野への応用は未だ道半ばであり、例えば、効果効率の高い教授システム実現のため、ラーニングアナリティクスにおけるモデリングのため、オンライン学習のための最適なユーザインターフェイス実装等のためにAI技術を利用することは、大きな可能性を秘めています。
一方、社会現象的にAIがもてはやされるあまり、現状のAI技術で何が実現可能か、限界や懸念がどこにあるかが正確に理解されていないことが実践応用を妨げる面もあります。
SIG-AIでは、これらの点について教育工学発展の立場から貢献することを目指しています。
最近の活動実績としては、2023年2月の「Jupyter Notebook入門ワークショップ」に引き続き、ワークショップ「GPTでオンライン学習教材を自動生成する」を2023年8月と10月にオンラインで実施しました。
参加者には、大規模言語モデルにキーワードを与えて小テスト問題を生成する Jupyter Notebookでの演習を行っていただきました。また、書類の画像や講義動画の音声を文字データに変換し、その文字データを大規模言語モデルのプロンプトに入力し、文章に書いてあることについて問う小テスト問題(選択問題、穴埋め問題など)の自動生成の演習を行いました。またその原稿をLMSの「小テスト」としてインポートできるXMLフォーマットに変換することもGPT を用いて試しました。
今後も引き続き、実践的に有用なツールや手法の紹介や研究事例の共有などを通して、JSET会員の皆様に役立つ活動を行ってまいりますので、AIや機械学習、LAなどのテクノロジーを教育実践に活かすことに興味をお持ちの方のSIG-AIへの登録(メーリングリストへの登録)、お待ちしております。また、新たなコアメンバーも募集中です。
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