会長再就任のご挨拶
日本教育工学会 会長 堀田龍也(東北大学/東京学芸大学)
令和4年度の役員改選の選挙において,会長に再選いただきました.会員数3,400名を超える本学会の会長としてこれまで2年間職務に邁進して参りましたが,続いてあと2年,本学会の発展のために微力を尽くす所存です.会員の皆さんの協力をさらにいただけますよう,よろしくお願いいたします.
会長再任にあたり一言ご挨拶申し上げます.
本学会は,1984年11月に設立されました。まもなく40年を迎えることとなります.学術分野としては新しい方かも知れませんが,この40年の間に諸先輩方のご尽力により,科学研究費補助金の細目に「教育工学」が設けられ,研究資金が安定的に提供される基盤が整いました.また,この間の情報技術の進歩は著しく,生涯学び続ける社会の到来もあってオンラインでの学びが広く普及し,教育工学の研究内容も多様化しながら発展しています.学校現場ではGIGAスクール構想が動き,また高等教育においてはコロナ禍でのオンライン授業の普及とそれによる実践の改善が進みました.ごく最近ではChat GPTに代表される生成AI等の台頭により,教育工学に関する学術研究に課せられる役割を検討しています.
このように,社会の大きな変革と共に歩んでいく性格を持った教育工学という分野を牽引する本学会では,運営上さまざまな課題があります.鈴木克明前会長の時代に本学会は一般社団法人に移行しました.法人化の目的の1つは学会の安定運営です.学会執行部と総務委員会には事務局として大小数々の案件に対応しています.学会の財政基盤は現状は安定していますが,2回の全国大会や研究会等の開催がハイブリッド化する中で,役員の業務負担が大きな課題です.各イベントの情報公開が早く正確になるよう,広報委員会によるニューズレターのWeb化が進んでいます.学会論文誌は,この分野のトップジャーナルとして質の高い論文が掲載され続けていますが,そのバックヤードでは剽窃等の確認等,編集委員会に大きな負荷がかかっています.重点研究領域も3年目を迎え,ELSIに関する部会を新設して研究を進めております.その他,SIGでの地道な研究への取り組みもありますし,国際委員会による秋季大会での米中韓などの教育工学関連学会との交流など,とにかくこの紙幅では書き切れないほどの業務負担を各役員の方々にお願いしているところです.
このように,日本教育工学会は発展を続け,教育工学研究のプレゼンス向上と会員サービスのさらなる向上に務めております.教育工学という分野を牽引する本学会の運営に,役員のみなさまはじめ会員のみなさまの様々な形での積極的な参画を,今後ともどうかよろしくお願いします.
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