発表・企画募集

(1)シンポジウム

 大会2日目の午後には「ビッグデータ時代の学習支援・学習評価のあり方〜教育工学研究の視点から〜(仮)」のテーマのもとシンポジウムが開催されます.詳細は後日お知らせいたします.

テーマ:「ビッグデータ時代の学習支援・学習評価のあり方〜教育工学研究の視点から〜(仮)」
司会 美馬のゆり氏(公立はこだて未来大学)
登壇者 西尾章治郎氏(大阪大学),緒方広明氏(九州大学),山内祐平氏(東京大学),
     美濃導彦氏(京都大学),寺澤孝文氏(岡山大学)

内容:初等教育から高等教育まで,教育における ICT 利用が本格化するなかで,様々なデータが記録され,蓄積されてきています.教育工学研究においては,集めたデータの分析にとどまらず,それらをもとに学習支援,学習評価につなげていくことが求められています.
 本シンポジウムでは,科学技術・学術政策として学術情報利用の基盤作りを推進している西尾章治郎大阪大学総長をお招きし,社会における学術データ利用の方向性をお話しいただきます.
 日本教育工学会からは,大学組織におけるデータ活用(九州大学),教育実践(京都大学),MOOC+反転学習(東京大学),Learning Analytics(岡山大学)の概況と動向から,教育工学にどのように貢献できるか,貢献すべきかを考えます.

(2)SIG(Special Interest Group)セッション

 SIG は,年間を通じて現代的教育課題に対する研究を深める時限付きのグループです.本大会においては,SIG セッションとして,それぞれの SIG における活動について,コーディネータが中心となって,発表や議論の場を設定します.大会1日目の午後と3日目の午後に分けて以下のとおり行います.
開催日SIG 名原稿の受付
09 月 17 日(土)
15:30〜18:00
SIG-06 協調学習・学習科学なし
SIG-07 インストラクショナルデザインなし
SIG-08 メディア・リテラシー,メディア教育なし
SIG-09 質的研究なし
SIG-11 情報教育一部公募
09 月 19 日(月・祝)
14:10〜16:40
SIG-01 高等教育・FDすべて公募
SIG-02 教師教育・実践研究 SIG指名のみ
SIG-03 教育・学習支援システムの開発・実践一部公募
SIG-04 教育の情報化 SIG指名のみ
SIG-05 ゲーム学習・オープンエデュケーション SIG指名のみ
SIG-10 コンピテンシースタンダードと能力評価手法の開発一部公募
■SIG-01 高等教育・FD
 SIG-01 では「データに基づいた教育・学習改善の現状と課題」というテーマで全会員から広く原稿を募集します.近年 IR や LA など,大学内のデータを分析する動きが広まっています.また,大学教育再生加速プログラムなどでも学習成果の可視化は重要なテーマとなっています.一方で,こうしたデータ分析で,何がどこまでわかるのか,分析の結果を実際にどのように教育・学習の改善に使えばよいかについては,知見の蓄積が求められています.本セッションでは,教育・学習の改善を指向した IR や LA などの取り組み,データに基づいた FD の取り組みなどの具体的な事例を会員から募集し,それらの報告を踏まえて議論を深めたいと思います.

■SIG-02 教師教育・実践研究
 自らの実践を対象化し,学び続けるリサーチマインドを保持した教師が求められる中,SIG-02 では,教師教育と授業研究を密接に関連づけながら研究会やSIG セッションを推進してきました.近年,Lesson Study やLearning Study が世界中で取り組まれている状況を踏まえると,日本教育工学会がこれまで蓄積してきた授業研究の知を世界的な視野から問い直すことが重要です.
 そこで本大会では,教育工学の立場から姫野完治氏(北海道大学),教育心理学の立場から河野麻沙美氏(上越教育大学),教育方法学の立場から清水良彦氏(大分大学)にご登壇頂き,授業研究の今日的な展開について,広い視野から捉えることともに,教育工学的な視点・アプローチによる授業研究について,その特徴や意義について議論を深めることを試みます.
 当日は3名の登壇者からの情報提供に加えて,参加者間でのグループ討議の時間を設けます.それらを通じて,教育工学的な視点・アプローチによる授業研究の特徴や意義,それがいかに授業改善や教師の力量形成に寄与できるのか等について,登壇者,参加者相互に深めていきます.

■SIG-03 教育システム開発
 教育・学習支援システムの開発・実践の SIG セッションでは,まずこれまでの SIG 研究会で取り扱ってきたトピックの研究動向について紹介します.ラーニングアナリティクス,学習センシング,CALL などのテーマについて報告します.その他にも,情報工学的なモデルや技術を基盤としたシステム開発,教育実践の場のニーズとマッチングさせた事例などの研究報告や問題提起など,発表を数件募集します.また,一般研究・ポスター発表の「教育・学習支援システムの開発・実践」カテゴリーでの研究発表も踏まえた総合討論を行いますので,本 SIG に興味をお持ちの方はぜひ当該カテゴリーでの発表をご検討いただきますようお願いします.

■SIG04 教育の情報化
 教育の情報化は急速に進みつつあります.タブレット端末は,教室に1台から,グループに1台,さらに1人1台の時代へと移り変わっています.情報活用能力調査の結果が公表され,資質・能力の育成とその評価についてもますますの研究や実践が求められています.21 世紀型能力の育成や,アクティブ・ラーニングの深化・拡充などの新しい教育の潮流に,教育工学は何を提案し,貢献できるのでしょうか.
 教育の情報化 SIG では,「資質・能力としての情報活用能力の育成と評価」,「1人1台タブレット環境における実践的研究」,「Get Active: Reimagining Learning Spaces for Student Success の翻訳」の 3つの研究・実践のプロジェクトを立ち上げました.
 SIG セッションでは,竹中章勝氏(畿央大学),塩谷京子氏(関西大学),片山敏郎氏(新潟大学教育学部附属新潟小学校),寺嶋浩介氏(大阪教育大学)の各氏をお招きして,パネルディスカッションを行います.

■SIG-05 ゲーム教育・オープンエデュケーション
 本 SIG では,ゲーム学習とオープンエデュケーションの研究動向や論考をまとめた「SIG レポート」を年1回発行しています.本セッションでは,昨年に引き続き,全国大会開催に合わせて公開する SIGレポートの内容をベースとして,各分野の研究課題や今後の研究の展開に向けた発表と議論を行います.この分野の研究者や,研究・実践のための連携に関心のある方が活動を進展させる場となるセッションを企画しています.

■SIG-06 協調学習・学習科学
 SIG-06 では,深い学びを促すためのアクティブ・ラーニングのあり方について検討を行います.近年,アクティブ・ラーニング型授業は,大学だけでなく,初等・中等教育の授業においても幅広く取り入れられつつあります.また,大学から職場へのトランジションを促すという点でも注目が集まっています.しかし,1.どのように授業をデザインすれば学びを深められるのか,2.よい授業をつくるために教員同士がどのように関わり合うべきか,3.どのように効果を測定するか,等については今後も議論が必要です.そこで本セッションでは,この分野で活躍している研究者やデザイナーに具体的な事例紹介や問題提起をしていただき,参加者とともに議論します.

■SIG-07 インストラクショナルデザイン
 SIG-ID(インストラクショナルデザイン)は,昨年度に発足して以降,ID の普及や研究の促進を目的に活動を進めております.本SIG セッションでは,本学会ではまだ少ないID に関連する研究の活性化をねらいとして,ID の研究をどのように進めていけばよいのかについて,参加者相互で深めていく場としたいと考えています.
 当日は,次の内容を行う予定です.
1.ID に関する話題提供
(1)ID の概要や主な理論等の紹介
(2)ID をどのように実践・研究に取り入れるか(設計,評価,支援ツール等)
2.事例をもとにID を取り入れた実践研究を進める方法を検討するグループワーク
 詳細は,Facebook 等でも案内をしていく予定です.皆様のご参加をお待ちしております.

■SIG-08 メディア・リテラシー,メディア教育
 わが国では,学術研究の発展を目的として科学研究費(以下,科研費)助成事業が行われています.これまで,この助成を受けて数多くの「メディア・リテラシー,メディア教育」に関する研究が行われており,独創的・先駆的な研究成果が残されてきました.本SIG セッションでは,「メディア・リテラシー,メディア教育」をテーマとして科研費の助成を受けて研究を行ってきた研究者から,研究計画・具体的な活動・研究成果について報告します.得られた知見を共有すると共に,今後の研究をどのように発展させていくことができるか,学会員で知恵を出し合い検討します.また,そうした事例を参考にしつつ,これから科研費の助成に申請しようと考えている研究者の研究計画を参加者で相互に検討するワークショップを行います.本SIG は,「知と知をつなぎあわせて,新しい知を創造する.」というコンセプトのもと「メディア・リテラシー,メディア教育」に関心のある方であれば,どなたでも参加していただくことができます.これから学ぼうとする方の参加も歓迎します.ぜひご参加下さい.

■SIG-09 質的研究
 質的研究SIG セッションでは,教育工学研究を質的研究が依拠するパラダイムから捉えることの面白さを参加者と共有し,その際の方法論について議論することを目的とします.はじめに参加者と一緒に「本当に“私”が知りたいこと,探求したいこと,実現したいこと」について,参加者間でグループワークを行いながら,自分の研究を振り返ります.次に,90 年代にみられた教育工学における研究アプローチの転換について,大谷尚先生(名古屋大学)からお話を伺います.さらに,質的研究だからこそ明らかになった特徴のある研究をいくつか紹介します.最後に,これらをもとに参加者間でもう一度,自身の研究の原点についてダイアログセッションを持ち,質的研究がそれにどこまで貢献できるかについて一緒に考えたいと思います.

■SIG-10 コンピテンシースタンダードと能力評価手法の開発
 SIG-10 は,大会最終日(19 日午後)に下記テーマで開催します.既報の3件の指定発表に加え,06月02 日(木)締切で最大2件の発表を公募する旨,お知らせしました.応募は1件あり,内容的にテーマに即したものであると判断しましたので,これを加えた下記4件の発表となる予定です.
【テーマ】知識・理解,思考・判断,人間性・社会性を総合的に育成するカリキュラムや指導法の実践的研究
【発表者と仮題】〜司会:松田稔樹(東京工業大学)
・玉田和恵(江戸川大):問題解決力と情報モラルを養う情報リラテシー教育のカリキュラム
・岡田佳子(芝浦工大):ソーシャルスキル教育の指導・評価法とゲーミング教材の可能性
・遠藤信一(東工大附属科技高):工業専門教育の入り口・出口としての技術者モラル教育
・後藤貴裕(東学大附属国際中等学校)・星 千枝(ベネッセ):
   高等学校の教科指導を通したチームワーク能力の育成の可能性

■SIG-11 情報教育
テーマ「AI 時代の情報教育」
 ヒューマノイドロボットやドローン,無人自動車,東ロボやアルファ碁など人工知能分野がめざましく進展しています.そこで,テーマを「AI 時代の情報教育」とし,教育で対応すべき事と,法律で取り締まるべき事について議論します.話題提供後,パネルディスカッションを行います.
 司会者:徳野淳子(福井県立大学)
 話題提供者:情報学の立場から,萩谷昌己(東京大学)
 法律家の立場から,小林正啓(弁護士)
 医師の立場から,鈴木道子(米沢栄養大学学長,内科医)
 情報教育学の立場から,加納寛子(山形大学)
 指定討論者:心理学の立場から,戸田有一(大阪教育大学)
 この他,フラッシュトーク形式による提案発表を予定している.

応募のスケジュール:

6月2日(木) SIG セッション発表申込書・プロポーザル(2〜4 ページ)提出
6月23日(木) SIG セッション採択決定通知

応募方法・応募先
 メール本文に以下の事項を記載、原稿はメールに添付で提出をお願いします.なお,件名は「SIG セッション発表申込」として下さい.
 原稿提出先:日本教育工学会事務局(
  〇氏名(ふりがな)
  〇所属
  〇e-mail
  〇電話番号
  〇Fax番号
  〇会員番号
  〇タイトル
  〇サブタイトル(あれば)
  〇エントリーするSIG(下記より選択)
   ・SIG-01 高等教育・FD
   ・SIG-03 教育・学習支援システムの開発・実践
   ・SIG-10 コンピテンシースタンダードと能力評価手法の開発
   ・SIG-11 情報教育
  〇特記事項(あれば)
  ※原稿は添付してお送りください  

(3)一般研究発表(口頭発表とポスター発表)

 一般研究発表は,口頭発表とポスター発表に分かれます.どちらの発表も同じ一般研究発表であり,口頭発表とポスター発表に質的な優劣はありません.発表目的に合わせてご選択ください.なお,プログラム編成の都合上,口頭発表とポスター発表の発表形式のご希望に添えない場合があるかもしれません.ポスター発表の枠を増やした場合,口頭発表で申し込まれていてもポスター発表になる場合もあります.あらかじめご了承ください.ポスター発表者は,発表セッションの時間帯は,ポスター前で説明及び討論に従事しなければなりません.

 (1) 高等教育の教育方法  (2) FD,IR  (3) 教師教育  (4) 授業研究  (5) 教育・学習支援システムの開発・実践
 (6) 学習コンテンツ開発・評価  (7) 遠隔教育,遠隔学習  (8) 反転授業  (9) eポートフォリオ  (10) 情報教育
 (11) 情報モラル  (12) 教科指導における ICT 活用  (13) メディア・リテラシー,メディア教育  (14) e-Learning
 (15) ゲーム学習  (16) オープンエデュケーション  (17) 認知と学習  (18) 協調学習,学習科学
 (19) 教育評価,データ解析  (20) 授業設計,授業実践  (21) インストラクショナルデザイン  (22) ワークショップ
 (23) 語学教育,国際理解  (24) 特別支援教育  (25) 生涯学習  (26) 企業内教育  (27) 看護教育,福祉教育
 (28) 保育,乳幼児教育  (29) 質的研究  (30) 教育改革,学習指導要領改訂  (31) 共同,連携,合意形成
 (32) その他

募集スケジュール

6月23日 一般研究発表申込・原稿(2ページ)提出受付開始
7月5日17時 発表者の参加費事前送金締切(クレジットカード払い,郵便振替共に)
一般研究発表申込・原稿(2ページ)提出
7月12日17時 提出原稿の差し替え締切

(4)International Session

 昨年度に引き続き,International Session は全国大会とは切り離して国際交流委員会を中心に実施・運営し,充実させる方向を目指します.
 本セッションの発表及び質疑応答は,英語で行われます.本セッションは,教育工学研究の国際化に対応するものであるとともに,特に若い研究者に対しては,国際学会等での研究発表や討論に備える体験を提供する機会でもあります.
 発表は,大会1日目・2日目に一般研究の口頭発表のいずれかのセッションと同じ時間帯で行われます.本セッションは下記の2つのテーマで実施されます.
  (1) System/Product Development and others
  (2) Lesson Study/Teaching Method and others

募集スケジュール

6月23日 International Session発表申込・原稿(2ページ)提出受付開始
7月05日(火)17時 発表者の参加費事前送金締切(クレジットカード払い,郵便振替共に)
International Session発表申込・原稿(2ページ)提出
7月12日(火)17時 提出原稿の差し替え締切

(5)チュートリアルセッション

 本学会にはじめて参加する方のために,1日目の午前にチュートリアルセッションを行う予定です.
 このセッションでは,本学会の活動内容について,たとえば教育工学選書や SIG 活動などの紹介を通して,本学会が対象とする学術分野や研究のテーマ,これまでの研究知見の概要を説明します.大学院生や現職教員,教育工学に関する研究に取り組もうとする研究者の方々を対象とします.
 詳細が決まり次第,詳細を掲載いたします.

(6)ワークショップ

 ワークショップは大会企画委員会が中心となって開催します.このワークショップは,主催者が設定した教育工学に関連するテーマについてインフォーマルに語りあう場です.実践は進んでいるものの研究として認識されていない問題や,新しい情報技術の教育利用などの萌芽的な研究について議論を行って頂くことを考えております.ワークショップは主催者主導で進行して頂きます.なおプログラム集には,ワークショップテーマ名・主催者/共催者名・概要が掲載されます.大会論文集へ原稿は掲載されません.
 テーマは公募といたします.会場の都合から,大会企画委員会では7,8件程度を上限として採択いたします.あらかじめご了承ください.議論を通じて,教育工学に関心を持つコミュニティが作られ,発展していくことを期待しています.積極的なご応募をお待ちしております.
 ワークショップの日程は,大会初日の前日 09 月 16 日(金)の 16:00 から 18:00 を予定しております.

応募のスケジュール:

6月2日(木)〜6月23日(木) ワークショップ テーマ受付期間
6月30日(木) ワークショップ テーマ決定(採否結果を通知します)

応募方法・応募先
 電子メールにて,ワークショップ主催者と共催者の氏名,ご所属,メールアドレス,ワークショップ名と概要(300 字程度)を大会企画委員会ワークショップ担当  ( )までお送り下さい.
 なお,件名は「ワークショップ応募」として下さい.