No.285
No.285
日本教育工学会ニューズレター 2025年07月10日発行

日本教育工学会 副会長 西森年寿(大阪大学)

 「会員交流」担当副会長の西森年寿です.昨年のNo.273(2024年7月10日発行)では,「会員サービス」担当としてご挨拶を申し上げましたが,本年度は山内新会長からのご指名を受け,役職名が変更となりました.とはいえ,実質的にはこれまでと同様に,全国大会,研究会,SIG委員会を引き続き担当させていただきます.新しい役職名を念頭に,学会が理想とする,そして現代において学会に求められる「会員の交流」とは何か.この問いに向かいあいながら,今後も真摯に取り組んでまいります.
 さて,理事の交代に伴い,本年度より各委員会の委員長等の体制にも変化がありましたので,今回はそのご紹介をさせていただきます.
 まず,大会企画委員会の新委員長は高橋純先生に,副委員長は,春季大会を稲垣忠先生,秋季大会を今井亜湖先生にご担当いただきます.さらに,大会担当理事として,時任隼平先生が春季大会の委員会,大久保昇先生が秋季大会の委員会に加わってくださっています.いずれも経験豊富でエネルギッシュな先生方であり,大変心強く感じております.現在,9月にウインクあいちで開催の全国大会に向け,準備が本格化しております.新たな試みの企画も用意されていますので,多くの皆さまのご参加をお待ちしております.
 研究会委員会につきましては,委員長を江木啓訓先生,副委員長を佐藤和紀先生にご担当いただきます.この「ご挨拶」が掲載される頃には,すでに今年度2回目の研究会を終えているはずです.短期間のうちにも,研究会報告集と論文誌との関係性の整理や,参加のアクセシビリティに関する検討など,新たに浮上した課題に対応いただいています.現在は,10月に開催予定の研究会への発表申込が始まっています.10月の研究会は完全オンラインでの開催です.ご発表・参加をぜひご検討ください.
 SIG委員会については,引き続き重田勝介先生にご担当いただいています.2024〜2025年度の期間に活動する5つのSIGは,それぞれ活発に活動を展開しておられます.私自身,SIGの活動に触れるたびに,研究への新たなエネルギーをいただいています.SIGへの参加申請は,会員の皆さまから随時受け付けています.大会中のセッションやオンラインのイベントなど,気軽にグループの雰囲気を感じていただける機会もありますので,ぜひご注目ください.
 たいへんありがたいことに,いずれの委員会においても,委員の先生方には無償で膨大な業務を的確かつ迅速にご対応いただいています.全く勝手な想像ですが,こうしたご尽力の背景には,これまで学会(本学会に限らず)で受けてこられたご恩を,何らかの形でお返しされたいというお気持ちもあるのではないかと思い浮かべています.そして,こうした「恩を送り合う」関係こそが,良質な会員交流の一つの要件ではないかと考えます.
 「恩を送り合う」関係は,もちろん会員の皆さまのご理解とご参画があってこそ成立します.安心して学術的コミュニケーションに没頭できる会員交流の場をともに築いていくために,今後ともご協力を賜りますよう,どうぞよろしくお願い申し上げます.


【特集記事】SIGーSEについて
SIG-SE代表 水内豊和(島根県立大学)
   副代表 山﨑智仁(山口県立大学)
 JSET SIG-SE (Special Education)についてご紹介させていただきます。
 みなさんは、最近、JSET誌に、特別支援教育に関する論文の掲載が増えてきたと感じませんか?
 実は今回ご紹介するSIG-SEのメンバーが取り組んでいる研究活動の成果が、多数結実してきているのです。
 このSIG-SEとは、特別支援教育と教育工学の融合分野における研究と実践を推進する目的で2024年から設立され、現在2年目になります。SIG-SEでは、特別支援学校、特別支援学級、通常学級に関わらず、知的障害や肢体不自由、発達障害といったさまざまな障害種を対象に、ICTを用いた指導方法の検証、障害特性に合わせた情報モラル教育の検討、アプリ開発などを目的とした6つのサブプロジェクトを推進しています。そして毎月1回のオンラインでのSIG-SEメンバー全員の定例会も開催しています。また、ICTの有効な教育活用に関する実践と研究だけでなく、障害のある子どもを対象とした「ICT作品コンテスト」の実施や、毎年12月に東京で実施するSIGメンバーの対面での全体研究会、一般に向けた公開セミナーの開催など、さまざまな活動を通じて、特別支援教育の推進と、障害のある子どもたちの学びや生活の質の向上に取り組んでいます。
 ここでは、これから実施されるいくつかの取り組みをご案内します。

【2025年度 第2回ICT作品コンテスト開催のお知らせ】
 2024年度に開催した「ICT作品コンテスト」には、全国から児童生徒部門125点、教職員部門18点、学生部門(大学等)5点と、非常に多くの応募がありました。 ご応募いただいた方全員に賞状を授与し、一部の方には東京にてハイブリッド開催された表彰式にご参加いただきました。本コンテストは、ICTを活用した創造的な学びや実践を広く共有する絶好の機会です。 障害のある児童生徒、特別支援教育に携わる教職員、特別支援教育を学んでいる学生など、多様な立場の方々にご参加いただけますので、ぜひ今年度のコンテストへのご参加をご検討ください。
コンテスト公式サイトはこちら:
https://sites.google.com/view/sigse-ictcontest2

【無料オンラインセミナー開催のお知らせ】
 2025年8月20日(水)の20時より、SIG-SEが主催する、一般の方も対象とした無料のオンラインセミナーを開催します。
 今回のテーマは、「特別支援教育×ICT 『”できた!”がひろがるICTが支える子どもたちの学び』」です。
 講師には、SIG-SEのメンバーであり、名寄市立大学 社会保育学科 准教授の郡司 竜平 先生をお迎えします。郡司先生は、特別支援学校ならびに特別支援学級の教員を経て、現在は大学教員として教員養成に携わるほか、NHK for SchoolやGIGAスクール時代のNHK for School活用研究プロジェクトのアドバイザーも務めていらっしゃいます。本セミナーでは、ご自身の経験に基づく特別支援教育におけるICT活用のこれまでの歩みや、今後大切にすべきことなどについてお話しいただきます。若手の先生方、特別支援教育にご関心のある方、障害のある子どものご家族など、どなたでもご参加いただけます。
セミナーの詳細・お申し込みはこちら:
https://sig-se-open-seminar.peatix.com

【2025年 SIG-SE全体研究会の開催】
 昨年に引き続き、株式会社内田洋行さまに東京本社会場をご提供いただき、SIG-SEの全体研究会を開催します。
 開催日は、2025年12月13日(土)とまでは決まっておりますが、詳細はこれから検討していきます。なお、この日は、上述のICT作品コンテストの授賞式を兼ねます。
 このように、SIG-SEでは、特別支援教育に携わる学校教員や研究者が、相互に研鑽し、特別支援教育の新たなアプローチについて研究、発信しています。
 SIG-SEは、運営や活動にFacebookのページやmessengerアプリをしようするため、Facebookユーザーであることが必須条件になります。
 そのため、関心のある方は、Facebookユーザーになった上で、以下の「SIG-SE」の限定公開ページから、メンバーリクエストをしてください。
 ご参加おまちしています。

JSET SIG-SE メンバー限定公開ページ
https://www.facebook.com/groups/1531731810722601
JSET SIG-SE
 代 表 水内豊和(島根県立大学)
 副代表 山﨑智仁(山口県立大学)
2025年秋季全国大会(第47回)
大会期間:2025年9月27日(土)~28日(日)
会場:ウィンクあいち
 (〒450-0002愛知県名古屋市中村区名駅4丁目4-38)
一般研究発表申込・原稿(2頁)提出:5月27日(火)~7月1日(火)17時
参加費納入:5月27日(火)~7月1日(火)17時
詳細はこちら
一般
会場  :オンライン
開催担当:研究会委員会
発表申込締切:2025年8月18日(月)
原稿提出締切:2025年9月18日(木)
参加登録締切:2025年10月14日(火)
詳細はこちら
行事予定
全国大会

開催日
2025年09月27日〜2025年09月28日
開催場所
ウインクあいち(名古屋)
研究会

開催日
2025年10月18日
開催場所
オンライン
研究会

開催日
2025年12月13日
開催場所
中央大学茗荷谷キャンパス(文京区)
全国大会

開催日
2026年03月07日〜2026年03月08日
開催場所
山梨大学(甲府キャンパス)
FacebookXでは随時、情報を発信しています.是非、フォローしてください.

日本教育工学会HP
ニューズレターのバックナンバー
学会や広報委員会等へのお問い合わせ
●発行人:会長 山内 祐平(東京大学)

Copyright © JAPAN SOCIETY FOR EDUCATIONAL TECHNOLOGY, All Rights Reserved.