○印は発表者,◎印は研究奨励賞対象の発表者です
9月20日(月)14:00〜16:30 会場:408
コーディネータ・司会者: 竹中 真希子 (大分大学) , 飛弾 信崇 (ベネッセコーポレーション)
人の学習は現実世界で営まれるものであり,テクノロジーがそれをいかに支援できるのかを追究すること が,教育工学の課題でもある。本セッションでは,こうした視点から追究された,システム開発や新技術の 教育利用に関する提案を募集する。テクノロジーを用いた学習環境には,次のような領域を例として挙げ ることができる。e{learning,m{learning,仮想現実,拡張現実,モバイルコンピューティング,ユビキタ スコンピューティング,ウェアラブルコンピューティング,ロボット,エージェントテクノロジーなどなど である。これらの環境(これ以外でも)が,現実世界で営まれる人の学習をいかに支援できるかについて, 特に,現在の学習環境を越えたその先の学習環境を提案する研究発表を軸にしながら議論を行う。
9月20日(月)14:00〜16:30 会場:204
司会者: 大島 純 (静岡大学) , 加藤 浩 (放送大学) , 舟生 日出男 (広島大学)
コーディネータ: 加藤 浩 (放送大学) , 舟生日出男 (広島大学)
近年,Web2.0 サービスやCSCL システムを利用した協調学習活動が盛んになっている。このような学習 をデザインする際には,道具,目標,イベント,制度,ルール,組織など様々な要素の膨大な組合せの中か ら取捨選択しなければならない。その際の判断基準となるのがデザイン原則である。デザイン原則は,人の 学びを捉えた学習理論から導き出され,具体的な個々の教育実践事例の分析からその原則の妥当性や一般 性を検証する概念であり,その確立が重要かつ急務である。本課題研究では,広く協調学習支援システムの 開発や教育実践事例の報告を対象とするが,必ず新しいデザイン原則の提案や既存のデザイン原則の検証・ 検討を含むことを求める。それらのデザイン原則を異なる実践研究の間で吟味・共有することを通して,一 般性を高める議論を行う。
9月20日(月)14:00〜16:30 会場:205
コーディネータ・司会者: 栗山 健 (学研教育出版) , 山田 政寛 (金沢大学)
近年,病院や企業を中心に「組織・職場における人々の学習をいかに組織化するか」に関する研究が注 目を浴びている。それは仕事に必要な知識や技術を,様々な他者の支援やコミュニケーションの中で,仕 事の経験を通じて学ぶことを意図したものであるが,仕事の経験のみならず,顧客,上司,同僚,後輩な ど職場内外の人間関係,さらに異業種交流会といったインフォーマルな場での人間関係も,学習に影響を 与える。しかし,このような組織における学習について,経営の観点では研究や調査が進められてきたが, 教育・学習の観点ではまだ研究が始まったばかりであり,研究知見の蓄積,情報の共有,議論もまだ十分で はない状況にある。本セッションでは,組織における人々の学習・成長,および,組織内の知識獲得,知識 共有,知識の制度化,学習棄却,組織社会化の研究に関する議論を行いたい。企業,病院,はてには大学や 学校において(大学や学校等の教育機関も組織のひとつである)どのように人材育成を進めればいいのか, 業務能力向上に資する組織要因は何なのか。組織の境界を越えた学習(越境学習論)など,組織と学習に関 する幅広い議論を行う。
9月20日(月)14:00〜16:30 会場:305
コーディネータ・司会者: 田中 博之 (早稲田大学) , 柴田 好章 (名古屋大学)
近年,教職大学院の設置,教職実践演習の導入などの教師教育における改革が進行してきたが,現在で は,さらに抜本的な教員養成制度の改革が論議されている。教育工学としても,これからの教師に求められ る力量をどのように育成するかが,喫緊の研究課題である。また,各学校現場における力量形成の要であ る現職教育・教員研修においては,日本の長年の授業研究の伝統と成果に海外からの注目が集まっている 一方で,真に教師の力量形成に結びつく授業研究を定着・発展させていくことが重要な課題になっている。 こうした問題意識から本課題研究では,授業研究を通した教師の力量形成のあり方を明らかにしたい。大 学での教師教育への授業研究のさらなる導入と評価・改善に関する研究や,学校での持続可能な授業研究サ イクルの構築を目ざした研究,またそれらを支える授業研究のツールの開発,教師の成長モデルや研修方 法の提案など,魅力的な研究を幅広く議論する。
9月20日(月)14:00〜16:30 会場:306
コーディネータ・司会者: 清水悦幸 (内田洋行) , 高橋 純 (富山大学) , 中川一史 (放送大学)
初等中等教育における学校現場では,補正予算等でICT 機器の導入といったインフラ整備が進んでおり, 児童生徒の学力向上や教員の指導力向上のために日常的にICT を活用することが求められている。そのた めに,ICT を活用した授業デザイン,教室のICT 学習環境の構築・運用方法,校内や教育委員会等におけ る教員研修,ICT 活用を支援する人的環境とその体制,役割等を明らかにしていく必要がある。そこで,本 セッションでは,上記のような初等中等教育におけるICT 活用の話題について,同様の問題を抱える実践 者に役立つ知見としてまとめられた実践事例,理論や制度などについて幅広く議論する。
9月20日(月)14:00〜16:30 会場:407
コーディネータ・司会者: 小川 賀代 (日本女子大学) , 永田 智子 (兵庫教育大学)
学士力の評価や習得能力の可視化など,多様な分野においてe ポートフォリオの導入が始まっている。昨 年度の全国大会において課題研究として初めてe ポートフォリオを取り上げたところ,高等教育を中心にe ポートフォリオが注目・導入されつつあることが確認できた。また,e ポートフォリオの運用や継続の在り 方,各機関・分野に適した活用方法について積極的な議論が行われ,高い関心があることがわかった。そこ で本年度の課題研究では,学習情報の蓄積・検索・共有やリフレクション支援等に関するシステム開発およ び運用の在り方だけでなく,e ポートフォリオの持続的な活用と普及に向けた取り組み及び成果の検証など 幅広い研究について議論する。また,高等教育だけでなく,初等・中等教育における研究について議論する。
9月20日(月)14:00〜16:30 会場:508
コーディネータ・司会者: 石川真 (上越教育大学) , 黒田 卓 (富山大学) , 椿本弥生 (東京大学)
2008 年度からファカルティ・ディベロップメント(FD)が義務化され,大学における授業改善の取り組 みが数多く行われるようになってきた。国際的な高等教育の質保証に関する議論も進展しており,今後,高 等教育分野やFD における教育工学の役割は,さらに重要になってくると考えられる。また,この数年,高 等教育やFD に関する研究報告も増加しており,教育工学の立場から十分な議論が求められる時期にきてい ると考えられる。そこで,本研究課題では,高等教育やFD の現状について把握するとともに,実践的な取 り組みについて研究発表を行う。そして,高等教育の質保証を鑑み,高等教育やFD に対して教育工学は何 ができるのか,何をすべきかを議論する。
9月20日(月)14:00〜16:30 会場:507
司会者: 柏原昭博 (電気通信大学) , 室田真男 (東京工業大学) , 平嶋 宗 (広島大学)
コーディネータ: 柏原昭博 (電気通信大学) , 室田真男 (東京工業大学)
教育や学習という事象に対して工学的に取り組むことの意義と,そのような取り組みをどのように評価 すべきかについて本課題研究で意見交換・議論を行う。工学的に取り組む上では,対象となる事象のモデ リングと,そのモデルに基づくシステマティックな設計は,極めて重要な役割を果たすものであり,このよ うなアプローチはその成果の説明可能性が高く,また漸進的で継続的な発展を可能とする。しかしながら, 実践的な評価,特に学習効果に関する評価を求められた場合,短期間に成果をあげるのは簡単ではないと もいえる。教育・学習の支援に新しい可能性をもたらす試みとして工学的な取り組みは欠かせないものであ り,今後ますます奨励していくべきものである。本課題研究では,教育・学習の支援に関して工学的に取り 組み,評価のあり方について議論する。