本大会では公募で寄せられたテーマを含めて大会企画委員会で検討した結果,次の8件のテーマを予定することになりました。発表希望者にプロポーザルを提出していただき,大会企画委員会が発表の可否を決定いたします。各課題について十分に討論することを目的としていますので,発表者は,発表だけで退席することなく,最後の総合討論に参加しなければなりません。この点,ご留意ください。
9月21日(月)14:00〜16:30 | |
コーディネータ: | 緒方広明(徳島大学),竹中真希子(大分大学) |
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テクノロジの進歩は,人の学びを支援する多様なツールを提供し,新たな可能性を生み出す。モバイルメディア,センサネットワーク,RFIDタグなどを活用した教育支援の試みはさまざまな方法で数多く試みられている。これまでに,フォーマル・インフォーマルエデュケーションのいずれの領域においても,その有効性や利用可能性が追求されてきており,すでに発展的段階に突入している。また、昨今では,Web2.0の技術やライフログをプラットフォームとした学習支援も,注目されている。さらに,ロボットやエージェントの教育分野での活用にも,関心が集まってきている。本セッションでは,このような,未来の学習環境デザインを見据えた,教育を支援する新しい技術やメディアの活用に関係する提案・開発・実践研究を幅広く募集する。
9月21日(月)14:00〜16:30 | |
コーディネータ: | 大島 純(静岡大学),加藤 浩(放送大学) |
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協調学習支援システムがいくつもの研究グループによって開発・活用されている。また,既存の電子掲示板やSNSなどのシステムを活用した実践も多数行われている。しかし,各グループの活動は個別的である。本課題研究では,システムを開発,あるいは教育実践の中で活用している研究グループから,立脚する学習観・教育観や,理想とする学習コミュニティ,そのような理想へと学習者を方向付けるための手だて(支援機能や足場掛けなど),評価方法,PDCAのサイクルなどについて多様な報告を募集する。そして,各システムや実践の特徴や利点・欠点を明らかにすることを求め,機能的要件や実現方法,実践のデザイン原則に関する知見として昇華させることを目指す。これらの成果を踏まえて,グループ間の連携や,各システムの接続性などを模索したい。
9月21日(月)14:00〜16:30 | |
コーディネータ: | 栗山 健(学習研究社),清水悦幸(内田洋行), 山田政寛(金沢大学) |
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世界的に教育にゲームを利用する実践や研究が徐々に増えてきている。教育工学系の国際会議を運営している組織の1つでもあるAssociation for the Advancement of Computing in Education (AACE)でも,教育ゲームの設計手法や新たな情報技術を使用した教育ゲーム開発等の研究,また教育現場に幼児向け教育ゲームやシリアスゲームなどを導入した実践など幅広い研究・実践報告がされており注目されている。日本でも携帯型ゲーム機を教育現場に導入するといった実践や教育向けゲームの開発も活発になってきており,これから注視していくべき教育工学の分野と言える。本セッションでは教育ゲームの設計・開発から,学習効果の測定,教育現場におけるゲーム・シミュレーション利用と言った実践研究まで,教育とゲーム・シミュレーションに関する研究を幅広く募集する。
9月21日(月)14:00〜16:30 | |
コーディネータ: | 柴田好章(名古屋大学),田中博之(早稲田大学), 南部昌敏(上越教育大学) |
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今日,社会から学校への信頼の揺らぎや,教員の大量退職と新任教員増加等が進行し,教師の力量形成が特に重要な課題になっている。教師に求められる力量も,教材開発・授業デザイン,発問等の教授スキル,適切な意思決定や評価等,以前から重視されてきたものに加え,問題解決等の教科横断的な能力を育成する力,情報メディアを活用した授業を展開する力,子どもの様々な問題に気づき対応する力,学校外の人々と連携する力,教育の成果を事実と論理に基づき説明する力等,拡大してきている。本課題研究では,力量形成における授業研究の可能性と課題を明らかにし,今後の指針を見出したい。力量形成のための授業研究の事例,力量の評価法,研修方法の提案やツール開発,教職実践演習や免許状更新講習の実践研究等,効果的で魅力的な研究を幅広く募集する。
9月21日(月)14:00〜16:30 | |
コーディネータ: | 中川一史(放送大学),野中陽一(横浜国立大学) |
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教育の情報化に関する手引において,教育委員会・学校における情報化の推進体制が示され,教育の情報化を推進するための人的環境の重要性が指摘された。本課題研究においては,人的環境とその体制,役割等を含め,教育委員会・教育センターや学校,大学等の支援の在り方等に関する研究及び優れた事例を紹介いただき,それらの比較検討を通して,ポイントを協議したい。情報化の統括責任者としての教育CIO,CIO補佐官の機能や役割,学校CIOとしての管理職の機能と校内の推進体制,学校における情報担当リーダーの役割,教員をサポートするICT支援員の学校での活用や教育委員会・教育センターの体制整備の在り方等,多様な視点からの発表を期待する。
9月21日(月)14:00〜16:30 | |
コーディネータ: | 小川賀代(日本女子大学),永田智子(兵庫教育大学) |
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2008年4月に中央教育審議会で出された「教育振興基本計画」では,初等・中等・高等教育にわたって質の保証・向上が掲げられている。このような状況の中,学習成果の評価として,学びの履歴を蓄積し,形成過程を可視化できると言われているポートフォリオが注目を集めている。また,eラーニングの普及に伴い,ICTを活用した教育・学習が日常化し,より効果的な活用が求められる中,eポートフォリオの導入が進んでおり,学習評価だけでなく,FDやキャリア支援などにも活用範囲を広げている。そこで,今回初めて課題研究としてeポートフォリオを取り上げ,多様な視点からの情報交換を行うことにした。本課題研究では,初等教育から高等教育を対象としたeポートフォリオのシステム開発,実践,評価研究ならびにレビュー研究など幅広い応募を期待する。
9月21日(月)14:00〜16:30 | |
コーディネータ: | 小泉力一(尚美学園大学),高橋 純(富山大学) |
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告示された新学習指導要領では総則において情報教育の重要性が謳われており,各教科の指導において児童生徒の情報活用能力を育成することが記されている。また,教員が授業でICTを有効に活用して「わかる授業」を実践することについても示されている。本学会ではこれまで教育におけるICT利用に関して様々な研究や実践報告がされてきたが,学習指導要領が改訂されたことを機に,初等中等教育における情報教育及び教員のICT活用実践について,今までの研究結果と実践報告を踏まえて改めて議論する必要があると考える。本課題研究では,高校「情報」,中学校「技術・家庭」,「総合的な学習の時間」などに限らず様々な教科での情報教育,そして教員の授業におけるICT活用など,教育工学が関わるべき分野についての実践や研究の成果を期待したい。
9月21日(月)14:00〜16:30 | |
コーディネータ: | 石川 真(上越教育大学),森田裕介(早稲田大学) |
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2008年度からファカルティ・デベロップメント(FD)が義務化され,大学における授業改善の取り組みが数多く行われるようになってきた。国際的な高等教育の質保証に関する議論も進展しており,今後,高等教育分野やFDにおける教育工学の役割は,さらに重要になってくると考えられる。また,この数年,高等教育やFDに関する研究報告も増加しており,教育工学の立場から十分な議論が求められる時期にきていると考えられる。そこで,本課題研究では,高等教育やFDの現状について把握するとともに,実践的な取り組みについて研究発表を行う。そして,高等教育の質保証を鑑み,高等教育やFDに対して教育工学は何ができるのか,何をすべきか議論する。