

シンポジウム1A | e-learningが変える高等教育システム−伝統的学部・大学院教育の改変:研究・教育そして人材育成−
コーディネータ(五十音順,以下同様):野嶋栄一郎,松居辰則(以上早稲田大学) 司 会:松居辰則(早稲田大学) 登壇者:小松川浩(千歳科学技術大学),玉木欣也(青山学院大学),野嶋栄一郎(早稲田大学),不破泰(信州大学) 高等教育機関でのe-Learningの利活用は一般的になりつつある。 そのアイデアや成果は現代GP,特色GP等の支援プログラム,および関連学協会を通して広く報告されている。その多くは基礎教育,語学教育,専門教育等の学習環境基盤としてのe-Learningである。つまり,従来型の学部教育や大学院教育の実施を前提としてそれを補完することや学習の機会を拡大することが中心的な目的となっている。しかしながら,e-Learningを導入することの本来的な目的は学生の学力や質の向上は言うまでもなく,教員の教育・研究に対する意識改革,授業スキルの向上,組織の発展的改変,ひいては学部や大学院の組織基盤として機能させることにある。これを実現するためには,従来型の学部・大学院教育においてどのようなe-Learningのモデルを構築すればよいのか,そしてそれを実効性の高いものとならしめるためには,どのような組織構成を考えればよいのか。ここでは,高等教育機関の教育目的の中に「人材育成」を取り入れることが鍵となる。本シンポジウムではこのような意識のものとでe-Learningを導入している組織の関係者を招き議論を行う。 *なお,このシンポジウムについては,広く一般に公開するために,当該シンポジウムだけの特別参加(大会参加費の支払いを免除)を認めます。 |
シンポジウム1B | 実践研究をどのようにデザインし,論文にまとめるか
コーディネータ:木原俊行(大阪市立大学),清水康敬(メディア教育開発センター) 報告者:益子典文(岐阜大学),山内祐平(東京大学)他 コメンテーター:植野真臣(電気通信大学),鈴木克明(熊本大学),矢野米雄(徳島大学)他 本シンポジウムは,大会企画委員会と編集委員会が連携して,企画・運営するものである。 日本教育工学会において,実践研究は重要な研究分野の1つであり,「日本教育工学会論文誌」の投稿表にこのカテゴリーを設けて投稿を推奨している。しかし,教育実践をつかさどる要因が複雑であるため,研究のデザインや実施の折に,そして研究の結果得られた知見を論文としてまとめる際に,少なからぬ困難に遭遇すると思われる。また,研究の企画遂行における倫理的問題への対処等についても,配慮すべき事項が多い。 そこで本シンポジウムでは,2つの実践研究事例を対象にして,本学会における実践研究のデザインや報告等について,その基本的な考え方や求められる要件について討論したい。 |

教育工学研究に望まれる方法論−実践・政策・市場原理を踏まえたデザイン−
コーディネータ:山西潤一(富山大学)
基調講演者:赤堀侃司(東京工業大学)
パネリスト:
授業実践の立場から:前田康裕(熊本市立飽田東小学校)
教育産業からの期待:黒川弘一(光村図書出版株式会社)
システム開発の立場から:香山瑞恵(信州大学)
他学会からの期待:佐伯 胖(青山学院大学)
教育行政の立場から:堀田龍也(メディア教育開発センター)
教育工学は,学校,行政,企業などと連携を保ちながら研究を進めている。しかし,実践と研究,政策と研究,市場原理と研究は,それぞれ目的意識が異なる。 教育工学会の重点施策をふまえて,さまざまな実践研究の知見をどう共通の学問的知識として共有化するか,さまざまなコンフリクトが存在するなかで,それぞれの立場を超えてどのように協調・協業の成果を生み出していくか,人,組織,マネージメントサイクルなどの観点から討議する。