「日本教育工学会が取り組むべき重点研究内容」の提言を踏まえながら、
      以下のような8件のテーマを設定することになりました。
       
      なお、課題研究はその課題について討論をすることを目的としていますので、  
      発表だけで退席することなく、  
      最後の総合討論に参加していただくことが発表者に求められます。  
      この点、ご留意ください。
       
      なお、課題研究のセッションは最終日の13:30-16:00を予定しています。

      K-1モバイル・ユビキタス技術の教育利用
      コーディネータ:中原 淳(東京大学),林 敏浩(香川大学)

      近年,様々なモバイルデバイスの教育利用が進んでいる。 NINTENDO DSやPSPを活用したe-Learning補習システムや,携帯電話を活用した授業支援システム, 展示支援ガイドなど,その事例は枚挙に暇がない。 また,センシング技術を活用したユビキタス学習環境についても,実用化の段階に進んできている。 特に,最近では,教室環境やワークショップスペースの設計に焦点を当てたとした「ラーニングスペースリサーチ」という概念も登場してきている。 本セッションでは,モバイル・ユビキタス技術の教育利用に関係する,幅広い研究発表を募集する。 また,教育利用を前提としたモバイル・ユビキタス技術の提案・開発に関する研究発表も歓迎する。
      K-2学習方略フィードバックのための学習コンテンツの構成と学習データの利用
      コーディネータ:松居辰則(早稲田大学),室田真男(東京工業大学)

      ICTを利用した,特にWeb型の学習支援システム(広義のe-Learning)では, 学習方略に関するフィードバック(学習内容の個別適応化,学習評価など)をいかに行うかが重要なポイントとなる。 本課題研究では,それを実現するための,学習コンテンツの構成法,インデックスの作成や付与方法(自動化技術も含めて), 学習評価のための各種データの利用方法と可視化,その理論,技術,実践など, e-Learningにおいて学習方略をどのように捉え,どのようにフィードバックするのかについて議論し, 問題点と課題を共有したい。e-Learningにおいては,その全てを自動化するのではなく, 人間教師の関わりが重要であることは言うまでもないが, その人間教師の営みや意思決定のための強力なツールを提供することは, 結果としてe-Learningの質を向上させることにつながる。従って, e-Learningにおける人間教師との関わりまで言及したいと考えている。
      K-3ICT技術・教育システムの評価の視点と方法
      コーディネータ:池田 満(北陸先端科学技術大学院大学),中山 実(東京工業大学),平嶋 宗(広島大学)

      ICTを基盤とした新しい教育・学習のあり方を提案していくことは, 教育工学における重要な課題の一つであるといえ,数多くの研究が行われている。 しかしながら,提案された新しい形態の教育・学習をどのように評価するべきかは, 必ずしも明らかではない。 教育・学習の目標を何らかの測定によって評価することが最終的には必要であることに合意できたとしても, どのように評価するか自体が大きな課題である。 また,新しい技術あるいはデザインを生み出そうという立場からすると, 限られた評価手法によって教育・学習における効果を測定することは,必ずしも妥当とはいえない。 本課題研究では,このような問題意識を踏まえたうえで,どのような視点から,どのような評価を試みたのか, またなぜそのような視点および評価が妥当と考えるのかといった「評価の視点と方法」に関する報告を募集する。 さらにこれらの報告を題材とした討論の場を設ける予定である。

      K-4教科指導におけるICT活用の効果分析とそれに基づく授業デザインの研究
      コーディネータ:小泉力一(尚美学園大学),高橋 純(富山大学)

      国は文部科学省を中心として初等中等教育の情報化を推進している。 2006年1月に示された「IT新改革戦略」では,「教科指導におけるITの活用」を推進するために 「教科指導における学力の向上等のためのITを活用した教育を充実させる」ということが示されている。 授業にICTを活用して児童生徒の学力向上につなげた実践事例を教育工学的見地から分析し, より多くの教員が自らの授業でICT活用を実践するための授業デザインの研究が必要であると考える。 本課題研究では,ICT活用事例の調査と分析,ICT活用による学力向上の効果測定,ICTを活用した授業方略の研究など, 広く授業実践に基づいた研究成果の発表を期待したい。
      K-5教育サービスとしてのe-Learning導入の検討
      コーディネータ:赤倉貴子(東京理科大学),金西計英(徳島大学),田口真奈(メディア教育開発センター)

      遠隔教育として注目を集めたe-Learningであるが,我が国では, シラバスの電子化やLMSの導入といった対面授業を補完する形でのe-Learningが浸透してきている。 e-Learningを教育サービスとしてとらえた場合,大学全体のIT化についてのグランドデザインが必要不可欠である。 e-Learningがさらなる展開を迎えるためには,より広い視点からe-Learning導入の目的や,その効果についての議論が必要である。 そこで,単なるe-Learning導入の紹介や,活用事例の報告ではなく,機関全体でIT化に取り組む事例から, 実りある効果をどう導くかについての提案を募集する。
      K-6教育工学関連製品を企業の開発者自身が点検・評価・検証する
      コーディネータ:鈴木克明(熊本大学),井上義裕(日本電気),大久保 昇(内田洋行)
      奥田 聡(富士通),栗山 健(学習研究社),野澤 敏夫(東京書籍)

      自ら開発や企画を手がけた機器・システム・コンテンツ・サービス,イベントを含む支援事業等, これらが現場でいかに機能しているかの点検評価検証研究を募集する。 アイデアが製品となって市場に投入され,市場での競争と教育現場での利用を経て,さらによい製品へと改良が加えられる。 そのような循環の促進を学会として考えたい。 現場のニーズをどのように掴み,どのような効果を狙って開発し,また現場では意図するとおりに使われたかどうか, また,利用者の要望についてはその後どのように製品に反映してきたのか,このような点からの報告を特にお願いをする。 発表から課題を抽出し製品開発や現場での運用研究に通じる議論の場を設けるので,企業関係者からの多くの応募を期待している。

      K-7情報教育カリキュラムの再検討−新学習指導要領・情報モラル教育の重点化を受けて−
      コーディネータ:久保田賢一(関西大学),中橋 雄(福山大学),堀田龍也(メディア教育開発センター)

      中央教育審議会の審議では,新しい時代の学校像が検討されてきた。 これにより,学校の裁量が多くなり,外部評価が強化される。このような政策の中で, 情報教育の面では,情報モラル教育に注目が集まっている。 しかしながら,学校現場ではまだ情報教育に対して誤解や無理解があり, 情報モラル教育を含む情報教育が十分に普及しているとは言い難い。 そのことを踏まえ,新しい学習指導要領を射程に入れた情報教育のカリキュラムについて議論したい。 実践研究および研究方法論の研究成果を通じて,政策と学校現場の間にあるギャップをどのように埋めていくか 提案する発表を募集する。
      K-8教員のICT活用指導力を高める養成・研修と実践
      コーディネータ:新地辰朗(宮崎大学),東原義訓(信州大学)  

      ICTを効果的に活用する指導力を高めるためには,   基準の策定,その基準に対応した教員養成,教員研修,そして教育実践が望まれる。   実際に,2006年度末文部科学省より「全ての教員を対象とした教員のICT活用指導力のチェックリスト(全18項)」が公表され,   さらに管理職用の基準策定も予定されている。   このような動向を踏まえ,ICT活用指導力の基準の在り方,具体的項目,その活用方法,研修プログラム,   基準の活用による効果,諸外国との比較など,ICT活用指導力に関わる様々な研究や実践について情報交換し,   教員のICT活用指導力を高める養成・研修と実践について議論を深める。